ドライバーは「エピックフラッシュ」、アイアンは「APEX MB」に
こんにちはケンジロウです。シンガポールのセントーサ島よりお届けしております。そう、今週は男子ツアーの開幕戦、シンガポールオープンです。明日17日(木)よりセントーサゴルフクラブで行われます。開幕戦なので、いろんな選手がバッグの中に新しいクラブを入れてきているのですが、選手会長の石川遼のバッグの中身もガラッと変わっていました。
ドライバーが最新の「エピックフラッシュ」(サブゼロ)にチェンジしたのはもうご存知の方も多いかもしれませんが、なんとアイアンも一新。2013年の頭にキャロウェイと契約して以来、ずーっと「Xフォージド」を使ってきていましたが、今回投入したのは「APEX MBアイアン」。キャロウェイが約1年前に限定販売していた、ゴリゴリのマッスルバックです。
「元々マッスルバックの打感やフィーリングが大好きということもあり、以前からマッスルのアイアンを投入する話はありました。プロの意見をいろいろ聞いて『APEX MB』からカタチとかサイズ感とか微妙に調整して、昨年11月ぐらいにようやくヘッドが上がってきたんですね。さらにテストを重ね、微調整して、12月の3ツアーズからチェンジしました」とは、石川遼のクラブ担当・島田さん。
ヘッドの形を見せてもらうと、小ぶりでシャープ、いかにもといったマッスルバックです。ソール側にボリュームがあり、球が上がりやすくしているように見えます。
「打感が良くて抜けもいいモデル。普通はマッスルだと飛ばなくなるイメージですけど、『APEX MB』は球も上がりやすく、スピン量も安定しています。長年使ってきた『Xフォージド』と距離感やスピン量を揃えたかったので、最終調整は大変でした」と前出の島田さん。
月曜日の練習ラウンドでは、早速そのアイアンショットが炸裂。最終ホール18番パー5の2打目が、ピンまで残り220ヤードのフォローという状況。5番アイアンを振り抜いて、グリーン上の210ヤード地点にランディングし、ピンを5ヤード近くオーバーしてイーグルチャンスにつけていました。
でもなぜこのタイミングで長年使ってきたアイアンを変えたのか? 石川遼本人に直撃しました。
「変えた決め手は打感と音ですよね。音と打感って似ているところがあると思うんですけど、今回のAPEXは音も含めた打感が最高なんですよね。それとソールが前のアイアンとはまったく違います。バウンスが少ないんですよね。ですので前作に比べてソールの抜けが決していいほうじゃないと思いますけど、でも僕にはそれが合っていて、元々僕はアイアンのソールを滑らせたくないタイプなんで、バウンスがないほうが扱いやすい。シャローに払い打つというよりダウンブローに打っていって、ヘッドをボールの下にいかせながら球を曲げていきたいんです。そういう意味では完璧のアイアンですよね。明らかに曲げやすくなりました」(石川)
話を聞いていて、「スウィングがいいときにクラブを変えないと意味がない」と以前彼が言っていたのを思い出しました。
年末のインタビューでは「5年間悩んできたスウィングにようやく光が見えてきた」と言っていましたが、今回のクラブチェンジは、スウィングがいい方向に向かっていることがきっかけになったのは間違いないでしょう。それは本人も認めています。
「スウィングが良くなって、同じようなスウィングが何回もできるようにならないとアイアン変えるというのはなかなかできないですよね。曲げやすいと言っても大きく曲げるのではなくて、1ヤードとか2ヤードを曲げられるのが曲げやすいヘッド。それができるようになったのは大きくて、今までだと2ヤード曲げようと思っても1ヤードも曲がらなかったりしたこともありましたからね。距離感に関してはまだ慣れが必要だと思いますけど」(石川)
ちなみにドライバーもエピックフラッシュ(サブゼロ)に変えてキャリーで実測で5ヤード近く伸びたとのこと。今まで使用していた「XR」に比べてスピン量が400回転落ち、打ち出しが高くなり、初速が1m/sぐらい上がったそうです。これだけ数字が良くなれば、そりゃ飛距離伸びますよね。
石川遼、新たな武器を手にスタートダッシュなるか。シンガポールオープン、明日から開幕です。
撮影/姉﨑正