安価で手に入るGPS式。レーザー式にもリーズナブルなモデルが登場
ご存知のように、今年のゴルフルール改正は、これまでにないほどの大きな変更が行われている。今回はその中でも距離測定器の使用に注目したい。距離測定器は、2008年の改正によってローカルルールで使用を認めることが出来るようになったが、今年はさらに踏み込んで、原則として使用がOKになった。
ルールで認められているのは、2点間の距離を計測するものだけで、高低差や方角などその他でプレーに影響する機能は使用できない。その機能を使わなければルール違反とはならないので、最近では周囲から見て2点間計測のみを使っていることがわかる計測器も登場している。
距離計測器にはGPS式とレーザー式の2つのタイプがある。GPS式は1万円以下で購入できるものもあり、費用面で大きなメリットがある。電池はラウンド毎に都度充電しなければならないが、計測に手間がかからず、手軽に扱えるのが魅力だ。その強みを活かした、腕時計型や音声で距離を教えてくれる機種も人気になっている。ルール変更をきっかけに距離計を使ってみたいというゴルファーは、GPS式を試してみるのがいいだろう。
レーザー式はGPS式と比較すると高価で、5万円を超える売価のものも少なくない。近年になってようやく、2万円を切る売価のニコン『クールショット20』やケンコー・トキナー『レンジファインダー KLR-600A』(※どちらもオープン価格)といった機種が登場し、裾野が広がった感がある。
レーザー式の定番はブッシュネルで、プロキャディのほとんどがブッシュネルを愛用している。筆者も長年のブッシュネル党だったが、昨年発売されたばかりのニコン『クールショットプロ スタビライズド』の出来が素晴らしく、鞍替えしてしまった。
『クールショットプロ スタビライズド』の大きな特徴は、手ブレ防止機能だ。レーザー式は遠くの目標にレーザーを照射して距離を測るが、はるか先のピンフラッグにレーザーを当てるのはなかなか骨が折れる。手ブレ防止機能はそのストレスを軽減するものだ。計測時間は約0.3秒と早く、約170gという軽さもいい。
難点は、高低差をふまえた距離目安の表示機能がブッシュネルに比べて甘いこと。どちらも傾度を測定し、三角関数を使って推奨距離を出しているのだろうが、ブッシュネルは番手なりの高さなども考慮されているようで、ニコンのほうが短い番手で高低差を多く見積もるきらいがある。
また、手ブレ防止機能のためか、電池の消費が遥かに早い。ブッシュネルは一回の電池交換で2年は持ちそうだが、『クールショットプロ スタビライズド』は数ヶ月で2回の電池交換が必要になった。些細なことではあるが、予備の電池を携帯したほうが無難だろう。
高低差の機能を使わないフラットなゴルフ場や競技ユーズでは、『クールショットプロ スタビライズド』の優位性は高い。売価は5万円弱(※オープン価格)と高価だが、シリアスゴルファーにお勧めしたい一品だ。