最大の差は「打感」にあり
マーク金井(以下マーク):テーラーメイドとキャロウェイ、今年もすごいドライバーを作ってきましたね!
金谷多一郎(以下、金谷):そうだね。僕は今日初めて打ったけれども、どれもすごく完成度が高いドライバーだと思います。
中村修(以下、中村):キャロウェイはAIが1万5000回のシミュレーションを行って設計したという「フラッシュフェース」、テーラーメイドはフェースの反発を一度違反値まで上げてからレジン素材を注入して適合値に戻すという「スピードインジェクション」というテクノロジーが売りです。
マーク:テーラーメイドもキャロウェイも、フェースの反発という「ルールの壁」をギリギリまで攻めるという手法で飛ばしを追求しているのが共通点。でもそのアプローチの方法が違っていて、面白いですね。
金谷:うん、それがクラブの個性として表れてきているよね。
中村:なるほど。実際に打ってみていかがでしたか?
マーク:打ち比べてみると、まず最初に両メーカーの差として印象に残るのが、打球音と打感ですよね。
中村:はい、テーラーメイドはやわらかめの「パシッ」という打感で、キャロウェイは「カキン」という金属系の打球音が印象的。たしかに、打感は「Mシリーズ」と「エピック フラッシュ」の最大の差かもしれません。
金谷:キャロウェイはフェースがゆがまずそのままの形で押し出す感じ。テーラーはフェースの曲面がうまくボールを包み込んで乗せていく感じ。どちらも弾きはいいし、同じように飛ぶんだけど、フィーリングは全然違う。
マーク:これは「どっちが飛ぶ」とかじゃなくて完全に好み。実際に打ち比べて、自分の好みで選んでほしいですね。
中村修:その意味では、自分が普段使っているボールでテストできたらベターだと思います。
トレンドは「一発の飛び」から「平均値アップ」へ
金谷:ヘッドの性能はどんどん向上しているけど、一発の飛びのMAX値というよりも確率アップによる飛びの平均値アップにつながっている印象を受けました。だからプロからアマチュアまで、その機能をスコアメークに生かせる時代になったよね。
中村:そうですね。プロが使うギリギリの性能のものをアマチュアも使えるんですから、F1マシンを一般人でも乗れる感覚。
マーク:性能面では、「エピック フラッシュ」はつかまりも球の上がりも、初代の「GBBエピック」と比べると格段にアップしています。「GBBエピック」では球が上がらなかった人でも、「フラッシュなら使える」という人はいると思いますね。
中村:テーラーも同様につかまりがよくなっていますね。
金谷:その辺は、前モデルのフィードバックで進化した部分なんじゃないかな。
マーク:そうですね。モデルチェンジでクラブ特性も結構変わっています。先入観を捨てて試打をして、自分にとって「スクェアインパクト」で打てるクラブを選んでほしいですね。
試打ではココをチェックしよう!
試打の際にぜひチェックしたいポイントを4つ紹介しよう。まずひとつ目は「音の違いの好み」。フェースの反発力はどちらも高いが、設計の違いによって打球音が大きく異なる。金属的な音が好きな人はキャロウェイ、やわらかめの音が好きな人はテーラーメイドが合いそうだ。
2つ目は「インパクトのフィーリング」。音だけでなく、インパクト時の感触も両社モデルの大きな違い。硬いフェースで押すようなキャロウェイに対し、テーラーメイドはフェースで包み込むような感触があると金谷プロ。
3つ目は「構えた顔の好み」。構えたときの顔の印象も重要。4モデルの中では「エピックフラッシュ サブゼロ」がいちばん小ぶりでシャープな印象。クラウンのカーボン部分の仕上げなどもキャロウェイとテーラーメイドで大きく異なるので自分好みの顔を選ぼう。
最後は「操作性・調整力」。比較的操作性の高い「M5」と「エピックフラッシュ サブゼロ」に対し、「M6」と「エピックフラッシュ スター」はややオートマチック。調節機能もモデルによって異なるので、それらも加味してモデルをチョイスしよう。
具体的には、「M5」は可変ウェートが2個あるから調整の幅がもっとも大きく、エピック2機種もつかまり度合いを調整できる。それに対して、「M6」は可変ウェートは搭載されていない。また、エピックフラッシュ スターのネックは4モデルの中で唯一接着式で、ライ角、ロフト角などの調整はできない。
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