2019年1月からルールが改正された。ルールの影響をより受けるのは、普段のラウンドより競技のゴルフ。というわけでゴルフトレンドウォッチャーでシングルの腕前の児山和弘がホームコースの月例競技に参加してみた。

「抜かない組」も一定数いたが、「抜く組」が多数派だった

年明けから一ヶ月、多くのゴルファーが初ラウンドを済ませた頃ではないだろうか。ご存知のように、2019年からのゴルフルール改正では、これまでに前例がないほどの大きな変更がいくつも行われている。まだ、変更点を把握していなかったり、旧ルールと併用しながらプレーしているゴルファーも多いのではないだろうか。

ルールを覚えるのは、実際に競技に出てみるのが一番だ。ルールブックを読むことも大事だが、実際にプレーしてみなければ、正しい処置をなかなか会得出来ないものだ。筆者も新ルールを実地で学ぶため、ホームコースで今年はじめての月例競技に参加してみた。

画像: クラブの掲示板には新ルールがらみの告知が多く見られた

クラブの掲示板には新ルールがらみの告知が多く見られた

当然のことながら、参加者も新ルールでの競技ははじめての人が大半。スタート前にスコアカードを配る際には、多くの選手がスタッフにルールを確認していた。中には、間違って覚えているケースもあり、参加者の中でも認知には差があるようだ。

これは新ルールに限らないことだが、間違って覚えてしまったルールを他人に教えてしまう人も少なくない。面倒でも、ルールブックで確認したほうが良さそうだ。

新ルールで多くのゴルファーが気になっているのは、ピンを差したままのプレーだろう。施行前から「同じ組に抜く人と指す人がいたら、かえってスロープレーになる」、「後ろの組に打ち込まれそう」などと心配する声が多く聞かれたものだ。

画像: 多くの組がピンを差したままプレーしていた

多くの組がピンを差したままプレーしていた

また、ブライソン・デシャンボーのように差したほうが有利になると主張するプロも現れた。今回の月例ではまだ1月ということで、ピンを抜いてプレーする組も少なくなかったが、数多くの組がピンを差したままでプレーしていた。

ピンとカップに挟まった状態で「カップイン」

筆者は、県を代表するトップアマの天野さん(仮名)と同組になった。トップクラスの試合に多く出場している天野さんは、すでに新ルールについても熟知されている様子。ピンは18ホールを通して、一度も抜かずにプレーした。

天野さんによれば、「カップの切り方、ピンフラッグの材質、グリーンの傾斜などによって、ボールが弾かれる可能性もある」という。このあたりはもっと研究が必要だろう。

グリーンの傾斜がきついときや風が強いときなどは、ピンが真っすぐではなく少し傾いてしまうことがある。たとえば、強い上りのパットでピンが手前側に傾いていると、カップの入り口が狭く見えて、いかにもピンに弾かれそうに見えてしまう。しかし、そんな場合でも、意外とカップインするし、ピンとカップにボールが挟まることも多い。

ピンとカップに挟まれば、新ルールではカップインとみなすことが決まっている。ボールがカップに「カラン」と落ちなくてもOKになった。また、ピン自体が下に向かって傾いていれば、当たったボールをカップに落とすように働く場合もある。つまり、多少傾いていても、意外と大勢には影響しないはずだ。あとは心理面の問題だろうか。

画像: 新ルールではピンとカップに挟まればカップインとなる

新ルールではピンとカップに挟まればカップインとなる

そして、プレーのスピードは、ピンを差したままのほうがかなり早い。一度抜いたピンを差したりしていては論外だが、これまでのようにグリーンに乗ってからピンを抜いてプレーするよりも格段にスピードアップが出来るはずだ。

差したほうが有利か、不利かという議論もあるが、そもそもこのルールはプレーの迅速化を狙ったもの。ピンを抜いてプレーしたい派も、ピンを差したままのプレーに早めに慣れるべきだろう。

一方、競技では頑としてピンを抜くという人と同組になる可能性もある。その場合のためにも競技ゴルファーは、ピンを抜いても差しても、パットのタッチやラインをイメージできるように準備していたほうが良いだろう。

面白いもので、ピンを差したままのプレーに慣れてしまうと、ピンを抜いた時に違和感を感じることもある。目標物があって、ピンに当てて落とすイメージがあるとないとでは、気持ちの持ちようが変わってくるのだ。

ピンを差したままでもカップからボールをスムーズにピックアップする方法、そしてローカルルールで設定されたOBの処置や新たに設置されたレッドペナルティエリアについては、また後日レポートしたい。

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