スウィング軌道によって最下点は変わる
ゴルフでは、曲がりの幅を狭くすることがスコアアップにつながります。そのために必要なのがローポイント(最下点)をコントロールすること。ローポイントコントロールができれば、自ずとボールが曲がるメカニズムも理解できるし、曲がりの幅を狭くすることにもつながります。
どうすればローポイントコントロールができるか。まずは、ゴルフのスウィング面は斜めに傾いているということを認識する必要があります。真横ではないし、振り子のような縦軌道でもなく、斜めです。そして、斜めに傾いた軌道がターゲットラインに対してどこを向いているかが重要です。
写真1を見てください。フラフープで示しているのは斜めに傾いたスウィング面で、この写真はスウィング面がターゲットラインの右を向いたインサイドアウト軌道を表しています。ボール位置が体の中央だとした場合、このような軌道では赤テープで示したローポイントがボールの手前にきます。つまり、地面にあるボールを直接打つには適さない軌道と言えます。
逆に写真2のようにスウィング面がターゲットラインの左を向いたアウトサイドインのカット軌道の場合、赤いテープで示したローポイントはボールの先に来ます。その分だけ入射角が鋭角になり、スピン量が増え、曲がりの幅が大きくなったり飛距離をロスしてしまいます。
したがって、軌道はできるだけターゲットラインに沿った写真3のようなニュートラルな軌道であることが望ましいのです。軌道がこのような向きになった場合、ローポイントはボールのわずか先になります。
そしてもうひとつ、ターゲットに向かって真っすぐに飛ばすための最大のポイントはインパクトのときのフェースの向きになります。
写真4を見てください。ここでフラフープが示しているのはローポイントがボールのほんのわずかに先にきた、ニュートラルで理想的な軌道ですが、軌道がいい=ナイスショットとは言い切れません。とくにアイアンの場合、ボールの飛び出す方向は、インパクトのフェースの向きに75%も影響されます。ですので、ニュートラルな軌道とスクェアなフェースの向き、が非常に重要となるんです。
そして、ローポイントがコントロールされていれば(適切な位置にローポイントがくれば)自ずとフェース向きもスクェアになりやすいとも言えます。
このように、クラブヘッドがターゲットラインに対してゆるやかにインサイドインの軌道を描くように動き、そのときのフェースの向きがスクェアであることが真っすぐに打つために理想的な条件になるんです。軌道だけ、フェース向きだけでなく、両者を合わせて考えることが重要で、両者をコントロールするためにはローポイントを意識するのが近道となるわけです。
このローポイントの原則を理解しておくと、たとえばボールの手前が高く、ボールの先が低くなっている左足下がりでは、やや左にボール置いてカット目の軌道でスウィングする(ローポイントをボールの先に設定する)ことでボールに当たりやすくなりますし、逆に左足上がりではややインサイドアウトの軌道で振る(ローポイントをボールの手前に設定する)ことで、斜面に沿ったアッパー軌道で打つことができるようになります。
また、ダフリのミスはローポイントが手前に来ている状態、トップのミスはローポイントがボールの先に来ている状態であることもわかります。クラブヘッドの最下点を意識することで、ミスショットの原因も理解できるわけです。
これを知っておくことで、ミスの幅を狭め、曲がりの幅を小さくすることで、スコアアップが望めます。ボールの位置やスタンスの向きなど練習場でいろいろ試してみると面白いと思いますよ。