中尺パターを左腕に沿うように構え、左腕とパターが一体化した状態でストロークするアームロック式パット。かつては中尺パターをお腹につけてストロークするやり方が認められていたが、それが規制されたことで、新たに注目を集めるパッティングスタイルだ。

アームロック式パットを実践するデシャンボー(写真は2018年の全米オープン 撮影/岡沢裕行)
ゴルフスウィングコンサルタントの吉田洋一郎は、そのメリットをこう解説する。
「左サイドでクラブ軌道などをコントロールし、右手でタッチを出しやすくなるパッティングスタイルで、左腕とパターが一体化するため、まずは左腕のことを考えなくていいというメリットがあります。さらに、お腹につけた場合と比べ、真っすぐ引いて真っすぐ出す直線的なストロークをよりイメージしやすいのもメリットです。デシャンボーなどは、スウィングも左肩を軸に考えているので、なおさら相性がいいと言えます」
実際に試してみると、たしかに右腕だけでストロークをコントロールする感覚があり、動き自体はシンプルに感じられる。そして実はこのアームロック式パター、先に行われたウェストマネジメントフェニックスオープンの練習日に、松山英樹も練習グリーンで試していたという。

松山も練習グリーンで「お試し」(撮影/吉田洋一郎)
「あくまでお試しという様子でしたが、グリーン上での練習に取り入れていました。松山選手はどちらかといえば直線的にパターを動かすタイプのプレーヤーですから、相性自体は悪くないと思いますが、やはり相当練習しないとフィーリングは合いません。練習ドリル的にやっていたのではないでしょうか」
今週、ジェネシスオープンに出場する松山。アームロック式パットを採用している……ことはないかもしれないが、勝負どころのパットを沈めて優勝争いに絡む姿を期待したい。