最後までローフェードで攻め抜いた
PGAツアー「ジェネシスオープン」は、ジャスティン・トーマスとの激しい優勝争いの末、36歳のJ・B・ホームズが制しました。
最終日、強風の吹くコンディションの中、アゲンストの吹くホールでも低くコントロールされたフェードボールを武器に、ドライバーではフェアウェイを、アイアンではグリーンを確実にとらえていました。
フェアウェイキープ率は強風下でも50%。優勝を争ったジャスティン・トーマスが21.43%でしたから、その差は明白。しかも、ホームズのほうが平均飛距離も上回っています。
トーマスのツアー通算10勝目に待ったをかけたホームズの飛んで曲がらないフェード。そのポイントはスウィング軌道にあります。画像Aは2018年の「全米プロ」の練習ラウンドのもの(全米プロの練習ラウンドは短パンOK)ですが、後方からスウィングの軌道をチェックしてみましょう。
インパクト(写真中)のときのシャフトのラインに線を引き、同じ角度でダウンスウィングのシャフトの角度と比べてみるとインパクトのシャフトの線よりもやや上から下りてきていることがわかります。
これは、それだけアウトサイドインの軌道で球をとらえているということ。フォローでもややインサイドにクラブヘッドが抜けていることからも、アウトサイドインの軌道は間違いありません。
アウトサイドイン=悪いスウィング軌道というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、フェードヒッターにとっては決して悪いことではありません。
PGAツアーの層の厚いフィールドで勝てた要因は、自分のスウィングの特徴を生かしてフェードを基準に球の高さや曲げ幅をしっかりとコントロールできている点だと思います。
2017年の全米オープンで、フィールドの全員がコースを去った練習場で、一人黙々と球を打っている姿を見たことがありますが、そのときは中弾道のいいフェードを打っていました。自分の球筋であるフェードを普段から磨き上げているからこそ、球の高さも自在にコントロールできるのでしょう。
アマチュアゴルファーのみなさんも、真っすぐ打とうとするのではなく、強風の中でも自分のゴルフを貫きボールをコントロールし続けたホームズを参考に、自分の持ち球の曲がり幅や弾道の高さをコントロールする練習をしてみると、実戦でのスコアアップにつながると思います。
※一部訂正しました(2019.02.19 18:14)