「ブランコのように打ってごらん」これだけで子どもたちはリズム良く打つ
リズムはゴルフにとってたいへん重要なポイントです。「桜美式」では子どもたちに、ブランコの模型で遊ばせてから、「ブランコのように打ってごらん」と言うだけで、リズミカルにボールを打ちます。ブランコのように打ってみると、腕も体もねじらないから、腰にもひざにも、どこにも無理せずにクラブを振り抜けます。
しかし従来の教えにどっぷり浸かった、シニアのアマチュアがうちにやってくると大変です。まったくリズムがない。両手を合体させ、腕や体をねじり上げる人やテークバックは体がきしんでしまいそうなほどにギューッと時間をかけてねじり上げるのに、体が動かない。トップからインパクトまでは、異常な速さでバシッとねじり戻している。
たしかにゆっくり上げて、鋭く戻し、そのギャップからパワーを生み出して飛距離につなげる方法もあります。しかし、むしろ遠心力を利用した物理的加速を使ったほうが、体に負担もなく、クラブを上手に利用したことになり、再現性が高まります。
「海賊船」のイメージでスウィングしてみよう
パーシモンに糸巻きボールの時代ならいざしらず、画期的にクラブが進化しているのだから、スウィングも進化させなければなりません。
ただし、ブランコの模型だけでイメージしてしまうと、ボールを打っているうちに、スウィングがどうしても小さく、そして早くなってしまいがちです。
だから、遊園地によくある海賊船をイメージしてもらいます。海賊船の模型を持って、大きくゆったりとテークバックし、また大きくゆったりとダウンしてくればいい。代用するなら、ゆりかごや大きなカゴを持って、海賊船をイメージするといいでしょう。
両腕をゆったりと左右に動かしていると、自然と両足が足踏みするようになって、徐々に上体の力感がなくなってきます。力感はスウィングにブレーキをかけることになりかねない。
女子プロには、力感を感じないスウィングが多いでしょう。それでも飛距離はしっかり稼げている。このゆったりした不変のリズムこそが、ミスの原因をなくし、ミート率を上げます。模型で見ていただいたブランコと海賊船のイメージ、ぜひ試してみてください。
「10本で握る テンフィンガースウィング」(ゴルフダイジェスト社)より
撮影/浅田紀元