単品ウェッジもカーボンシャフト時代が来るのか
かつては、アイアンはサンドウェッジまでセット販売されていた。しかし、現在はピッチングウェッジまでのセットが一般的。アイアンセットの流れのウェッジを使うゴルファーも無論少なくはないが、いわゆる“単品ウェッジ”を組み合わせるという人も多い。
従来、「単品ウェッジ」のシャフトといえば、120グラム前後のスチールシャフトと100グラム前後の軽量スチールシャフトから選べるというのが定番だったが、最近では少し状況が変わってきている。50グラム台、あるいは60グラム台のカーボンシャフトが選べるケースが増えているのだ。
たとえばフォーティーンのD-036ウェッジなどは60グラム台、クリーブランドの「RTX F-FORGED Ⅱ」ウェッジは50グラム台のミヤザキシャフトが選べるといった具合だ。
タイトリストから新たに発売される「ボーケイ フォージド ウェッジ」に至っては、カスタムシャフト「タイトリスト ディアマナVF」に60グラム台を筆頭に、50グラム台、そしてなんと40グラム台までがラインナップされている。軽量カーボンの中で、さらに3つの重量帯が選べるというのは異例だろう。
![画像: タイトリストの新製品ボーケイフォージドウェッジ。定番のNSプロ950GHだけでなく、カーボンシャフトを3つの重量帯から選べる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2019/03/04/b16e6d2cb79cbc465044600d309f740805d82a7d.jpg)
タイトリストの新製品ボーケイフォージドウェッジ。定番のNSプロ950GHだけでなく、カーボンシャフトを3つの重量帯から選べる
単品ウェッジの“軽量化”が進む背景には、アイアンの軽量化の影響がある。最近のアイアン市場はスチールシャフト装着モデルよりカーボンシャフト装着モデルのほうが売れ行きが良いと言われ、とくにゼクシオ テンやインプレス UD+2など売れ筋のアイアンにその傾向が強いという。
![画像: ボーケイフォージドウェッジは40〜60グラム台の軽量カーボンシャフト「タイトリスト ディアマナVF」が選べる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2019/03/04/4a38d75125069cf107f360df8a66c8d6c6c221c8.png)
ボーケイフォージドウェッジは40〜60グラム台の軽量カーボンシャフト「タイトリスト ディアマナVF」が選べる
アイアンは以前から軽いが、そのシェアがより増えたことにより、単品ウェッジにもカーボンシャフトの需要が以前よりも増している、ということのようだ。選択肢が増えるのはゴルファーにとっていいことなので、これは歓迎すべき事態だろう。
![画像: ヤマハ インプレスUD+2など、軽量カーボンシャフト装着モデルと相性が良さそう(撮影/野村知也)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2019/03/04/002697268eab981af23ef5fe795bb2b68df1d4a5.jpg)
ヤマハ インプレスUD+2など、軽量カーボンシャフト装着モデルと相性が良さそう(撮影/野村知也)
最近流行りの飛び系アイアンのシャフトは50グラム台、あるいは40グラム台と軽量。アイアンが軽量だと、その下のウェッジのシャフトが90グラム、100グラムとなると重さの差がありすぎ、扱いが難しくなる。ウェッジでも軽量カーボンシャフトが選べれば、それらのアイアンと違和感なくマッチングさせられる。ウェッジはアイアンよりも「やや重め」くらいが基本的にはちょうどいいだろう。
ゼクシオ テンのピッチングウェッジのロフトは43度、UD+2に至っては38度で、単品ウェッジを複数本組み合わせるのはほぼ必須。もちろん、アイアンとセットのウェッジで揃えれば問題はないのだが、短い距離はいわゆる“単品ウェッジ”でコントロールしたいという人は少なくないはず。リシャフトせずとも重量をフローさせられるのは魅力だ。
飛び系アイアンのブームが続くなか、単品ウェッジの軽量カーボンブームも静かに来る……かも。