全国2000コースで毎日平均26組がプレー
日本のゴルフ場の経営状況を調査したのは矢野経済研究所の三石茂樹氏。2000コースにアンケートを送付し、194コースから回答を得たというそのアンケートの結果は、実に興味深いものだった。
まずは年間来場者数。アンケート結果によれば、1コースあたりの平均は3万8611人で、すべてのコースが1年365日営業したとすれば、1日あたり約160人ほど、組数にして26組ほどがプレーしている計算になるという。もちろん土日はその数が多く、平日は少ないだろうが、平均としてはなんとなく納得させられる数字だ。
さらに、ゴルフ場の会員数を訪ねたアンケートの結果を見ると、日本のゴルフ場の平均会員数は1410人。1410にコースの数の2000をかけると282万となるから、単純計算した場合、日本には約300万人弱の「メンバーさん」すなわちゴルフ場の会員がいるということになる。
「日本におけるゴルファーの総数は諸説あるが、だいたい700〜800万人のゴルファーがいる。そのうち、メンバーシップを保持しているゴルファーが、約40%いることになります」(三石氏)
ただ、今回の調査ではあくまでメンバーの数のみを聞いており、年齢構成といった属性分析はできていないという。三石氏は、「メンバーの大多数はシニア層であろう」と分析。今後属性分析ができれば、将来のゴルフ産業発展に向けた課題が見えてくるだろうという。
多くのゴルフ場が、「来場者数減」をもっとも大きな課題だと回答し、ゴルフ団体に果たしてもらいたい役割として「新規ゴルファーの創出」を挙げているが、一方で「初心者向けプログラム」を実施しているコースは全体の15.1%、「女性向けプログラム」を実施しているコースも21.0%に留まっている。このあたり、もしかしたら新規ゴルファー創出のためになにかしらの施策が必要とされているかもしれない。
また、ゴルファーとしてのコミュニケーションツールとしては「電話、DM」を利用していると回答したコースが72.0%と多かった一方で、eメールは58.6%と、アナログ的なコミュニケーションが多いという。SNS等の若年層との親和性が高そうなツールを活用しているコースも決して多くなく、コミュニケーションの図り方も課題となってきそう。
若いゴルファー、初心者ゴルファーが、ベテランゴルファーとともにゴルフ場で楽しい時間を過ごす。そのために何ができるかが、今後の課題になりそうだ。