今シーズンの女子ツアーで躍進を目指す河本が、ショットの精度をより高めるために取り入れている練習が、ティアップしたボールを3Wで打つことだ。
「ドライバーを打つときと同じ高さにティアップしたボールを、ドライバーよりもヘッドがコンパクトな3Wでしっかり打ち抜かなきゃいけないので、とっても難しいんですよ。ヘッドの入り方がズレると出球がバラついちゃうし、打点を外すとミスがハッキリと表れる。この練習はハマりました」(河本)

ドライバーと同じ高さにティアップしたボールを3番ウッドで打つ。河本の定番の練習だ(撮影/有原裕晶)
ティショットが上手なプレーヤーを見て、このドリルのヒントを得たという目澤コーチはこう解説する。
「ドライバーのヘッドの厚さは3Wの2倍くらいあります。薄いヘッドの3Wで高くティアップしたボールにしっかり当てられれば、ドライバーでミートするのはやさしくなります。しかも3Wはヘッドがコンパクトで、ミスヒットに対してシビアなのでより効果があるんです。こういう練習をすることで、入射角のイメージが磨かれる。アマチュアの皆さんにも有効な練習法だと思います」(目澤)

3Wを高くティアップした状態で打つことでドライバーの精度があがるという(写真は2019年のダイキンオーキッドレディス 撮影/三木崇徳)
ヘッドが上から入りすぎると“テンプラ”、低く入りすぎたら“だるま落とし”、打点ミスをすると球の高さがバラついたり左右にブレたり――。言い換えれば、ミスという結果から原因があぶり出されるので、どこを修正すべきかが明確になる。こういうドリルを積み重ねて、河本はショットの精度を磨いているのだ。
「試合のときスタート前の練習でも、ドライバーは1~2球しか打ちませんが、3Wのティアップは5球くらい打ちます。そうやって本番に備えているんです」(河本)
継続は力なり。普段の練習に、ちょこっとだけ加えてみては?