名門大学に入学させるため試験監督や大学運動部のコーチに賄賂を渡していたとして親や大学関係者ら50人が贈収賄の疑いで逮捕されたニュースが世間を賑わせている。一見ゴルフとは無関係な事件だが全米最大の入試をめぐるスキャンダルに“あの人”が巻き込まれていた。

「多くの保護者は無関係だと思う」

この事件の主犯として逮捕されたのはカリフォルニア州西部で教育関連のコンサルティング会社を経営するウィリアム・シンガー氏58歳。

報道によると受験生を持つセレブから1件につき25万ドル(約2800万円)からときに日本円にして7億円を超える額を受け取り、大学の運動部のコーチや入試関係者に賄賂を渡し裏口入学を斡旋していた疑いがかけられている。連邦地検はシンガー容疑者が11年以降受験生の親たちから合計27億円強の謝礼金を受け取っていたとしている。

このニュースに「ショックを受けている」というのが現在プレーヤーズ選手権に出場中のフィル・
ミケルソンだ。大会初日3番(パー3)でトリプルボギーを叩くなど精彩を欠いたプレーで2オーバー74を叩き104位タイでホールアウトしたあとミケルソンは記者に囲まれると「子供たちの入試をサポートしてもらうためシンガー氏が代表を務める会社に家庭教師をお願いしていた」と容疑者との関わりを認めた。

「妻と私はほかの多くの家族とともに彼の会社に大学入試のプロセスを助けてもらっていた。複雑な手続きが必要だからガイダンスが必要なんだ」とミケルソン。

画像: シンガー容疑者と関りがあったことを認めたミケルソン(写真は2019年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

シンガー容疑者と関りがあったことを認めたミケルソン(写真は2019年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

報道によるとシンガー容疑者は大学入試に必要なACTや SAT(テスト)に替え玉を使ったり、組織が用意した回答と差し替えるなどの不正を行ったほか、運動部のコーチや大学の関係者に賄賂を渡し合格させていたというが、ミケルソンは「その件に関して我々は一切関係していないし知らなかった」。

「多くの保護者は無関係だと思う。だからこそこのニュースにすごく驚いている」

ミケルソンの長女アマンダさんはブラウン大学に在籍中で高校はキャロウェイの本社があるカールスバッド(カリフォルニア)のパシフィックリッジスクール。高校時代はテニス部とラクロス部のキャプテンを務めていた。次女のソフィアさんと長男のエヴァンくんはまだ高校生だ。

シンガー容疑者が主催するエッジカレッジ&キャリアネットワークはウェブサイトにミケルソンと妻エイミーさんの奨励文を載せている。ミケルソンによると子供達の学業を支えてくれることに対して夫妻が謝意を表したものだという。

組織の内情を知らないまま広告塔になってしまった格好のミケルソン。同情の余地はあるが君子危うきに近寄らずのことわざもある。スキャンダルに巻き込まれてしまったミケルソンは気の毒なのか? それとも…?

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