「女子プロはアマチュアの参考になる」なんてよく言われるが、セッティングという観点ではプロとは言え女性。飛距離が出ない分ウッドを多用している選手も多いが、それは本当にアマチュア男性ゴルファーの参考になるのだろうか。業界屈指のギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人が考えた。

女子プロセッティングは効果的。ただし、注意点もある

みなさんこんにちは、ギアオタク店長の小倉です。2019年も日本の女子ツアーが開幕し、我々アマチュアもそろそろ本格的なシーズンを迎えます。先日、女子開幕戦に取材に行った記者との会話の中でこんな質問をされましたので今日はそれをお題にしたいと思います。

「女子ツアーでは、男子ツアーと比べてフェアウェイウッドやユーティリティの本数が多いですよね。アイアンは大体6番か7番ぐらいまで。飛ばす人でも5番ぐらいまででした。これってもちろん結果が出しやすいからそういったセッティングになっているのだと思うのですが、一般のアマチュアゴルファーにも当てはまるんですかね? ほらヘッドスピードとか大体女子プロと一般アマチュアが同じぐらいって言うじゃないですか」

ちょくちょくゴルフ雑誌などでは特集が組まれますよね。こういう内容。結論から言ってしまえば、間違いなくフェアウェイウッドやユーティリティを多用したほうが良い結果は得られやすいです。ただし! 重量フローやシャフトの特性等、他のクラブとの流れを合わせること。これが絶対条件です。

まずなぜ男子より女子のほうがウッド類を多用するのかというところですが、第一に少ないパワーでボールの高さを出しやすいので長いクラブでもキャリーが出しやすくなるから。キャリーが出しやすくなれば、長い距離でもグリーンを狙える確率が上がりますからね。

でも男子だって距離のあるコースでやることがあるんだから、ウッド類を多用しても良いのではと思いますよね。それでも男子がウッド類を多用しないのには理由がまだほかにあるから。男子ツアーは女子ツアーと比べて距離だけでなくラフなどのコースコンディションも厳しくセッティングされます。ちょっとしたラフでも凄く密集した芝付きだったり、グリーンのコンパクション(硬さ)が高かったりといった具合です。

そういった状況だといくら自分に合ったクラブでもウッド類だと都合が悪いのです。具体的にはヘッドの大きさによる芝抜けの悪さだったり、スピンコントロールができずグリーンで止められなかったりといった感じ。まだアイアンのほうが深いラフでも対応しやすく、スピンコントロールがしやすいので厳しい環境には適応しやすいというのが男子にウッド使いが増えない理由でしょう。

画像: 飛ばし屋の三浦桃香でも、バッグの中にはウッドがズラリ(撮影/三木崇徳)

飛ばし屋の三浦桃香でも、バッグの中にはウッドがズラリ(撮影/三木崇徳)

アマチュアのプレー環境はよっぽどアスリート志向のゴルフ場でない限り、ウッド類のメリットを生かしにくいといったことはないでしょうから、女子プロのセッティングを大いに参考にしてもらいたいなと思います。ただ前記した通り、重量フローやシャフトの特性を無視するとかえってミスを呼ぶセッティングになりますので注意が必要です。

シャフトを揃えるのはある程度知識が必要ですので、ベストな方法はクラブフィッターや工房などに相談することですが、手軽に揃えたいのであれば、最低でも短いクラブほど総重量が重くなる様にスペックを選んで購入する様にしてください。

それだけでもミート率はかなり変わってきます。最近では、ロフトの多い番手をラインナップするUTが増えてきましたので、上手く合わせれば、どの番手でも簡単にボールの高さを出せるセッティングなんていうのも可能になるはずですよ。

画像: 新"RS”シリーズがついに出た!プロ二人が徹底試打!果たしてその実力は? youtu.be

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