ドローヒッターが思い切り振り抜いても左へのミスが怖くない
用意した「TW747 460」の“ローズスペック”は以下の通り。
ヘッド:TW747 460(9.5度)
シャフト:VIZARD FD-7 X(45.5インチ)
というわけで、ヘッドもシャフトも本間ゴルフのプロダクトを使用。実はローズが使用しているシャフトは同じシャフトの「XX(ダブルエックス)」シャフトだが、それはローズ向けのプロトタイプのため、今回は市販されているFD-7 Xで代用した。
TW747は大型ヘッドの「460」とやや小ぶりな「455」の2モデルがラインナップされているが、ローズが選択したのはフルサイズの460。ちなみに、昨年使用していたのは前契約先であるテーラーメイドの「M3 460」だ。
シャフトは先端側が走る弾き系の「VIZARD FD-7」で、三菱ケミカルの「テンセイCKプロ オレンジ60(TX)」からチェンジ。ヘッド、シャフトともにホンマ製の純正カスタムとなっている。
さて、このクラブを試打するのはヘッドスピード約50m/sのドローヒッターである堀口宣篤と同約47m/sでフェードヒッターの中村修という二人のプロ。二人ともTW747 460はテスト済みで、両人とも高く評価している。その上で、ローズスペックをまずは堀口に打ってもらった。
「めちゃくちゃ重いです。1ホールでギブアップかもしれません(笑)」と堀口。ヘッドスピードが50m/sある飛ばし屋をしてこう言わしめる(しかも実際のスペックはさらにハード)なのだから、さすが世界のトップが使うクラブは一味違うと言ったところか。
堀口が打ってみると、総飛距離は268ヤード。ドローヒッターのローズが使うドライバーだが、打ち出し方向は右寄りに。ヘッドスピード43.9m/sに対しボール初速は65.5m/s。打ち出し角は12.4度で、スピン量は2677回転という結果だった。ハードスペックな分、ヘッドスピードが出てこない。
「硬いです(笑)。あと、全然つかまってこないです。これなら思い切り振り抜いていってもつかまり過ぎることはないですね」(堀口)
続いてフェードが持ち球の中村がローズスペックドライバーを打つと、ボールは大きく右方向に打ち出された。総飛距離は262ヤード。ヘッドスピード42.8m/sに対しボール初速は63.7m/sで、打ち出し角は11.9度、スピン量は2575回転という結果だった。
「実際に握ってみると手元もしっかりしていて重量感もあります。見た目もつかまって左に行っちゃうような感じがまったくしないですね。まさにドローヒッター向きです。ローズが打つと、イイ感じのドローになるんじゃないかなと思います」(中村)
ドローヒッターのローズにとって、つかまりすぎて左にミスするのだけは避けたいはず。さりとて多少はつかまってくれなくては困るに違いない。そこで、直進性の高いヘッドに本来つかまるシャフトをハードスペックで組み上げることで、“振ったときにほどよくつかまる”状態に仕上げているようだ。
「今回のTW747 460もそうだし、ピンのG410プラスやテーラーメイドのMシリーズなど、最近はプロが使うモデルでもやさしくなってきています。言い換えれば、シャフトを替えてロフトを合わせればアマチュアが使えるモデルになるし、ハードめのセッティングを施せば世界ナンバーワンが使って実際に優勝できる。それくらいのポテンシャルを持っているヘッドが増えているということですよね」(中村)
というわけで、当たり前だが見栄を張らずに自分に合ったスペックを選ぶのがスコアメークにおいても飛距離においても一番だが、試打会など、機会があれば試しにローズスペックを打ってみてはいかがだろう。世界のトップはこんなクラブを振っているのか! と、ゴルフ場での話のタネにはもってこいになるはずだ。
協力/PGST