世界ランク30位以内の選手が中心になる
Q:東京オリンピックに向けて、注目する選手は?
丸山:やっぱり、今のワールドランキング30番以内の選手ですよね。ちょっと大雑把ですけど、ここ何年も揺るぎなく活躍していますから。そして日本選手の誰かがガッと上がってくる(ことも期待したい)。もちろん松山英樹はその中に入っているので、調子を上げていってもらって、そこ(五輪)に向かってもらいたいってのがあります。
あとはどうだろう。南米の(ホアキン・)ニーマンとか、彼なんか、あの国(チリ)の代表としてくると怖いかなとか思いますね。
Q:世界ランクトップ10圏内につける畑岡奈紗選手は、メダルが期待できますか?
丸山:そうですね、奈紗ちゃんに関しては、一番大事なことっていうのは、一番いいときを何年か続けることの大事さですよね。ゴルフってあっという間に自信がなくなってくるスポーツ。見えた!と思っても、次の日に打ちのめされる競技。そういう意味では、奈紗ちゃんは(世界のトップクラスだという)証は作ったので、あとはそれを常に表現できるか。今年、来年に向けて表現できれば、彼女のポテンシャル的には十分(メダルは可能)。
Q:ヘッドコーチとして、どういうサポートをしていきたい?
丸山:代表になるだろうという注目選手の好不調を見ておくことも勉強のひとつ。一年の流れを常に見ておきたい。(トーナメント中継の)解説もやらせていただいて、おかげさまで目の前で見ている時間も長いので、選手がいいときのフィーリング、悪いときのフィーリング、両方感じ取れる部分が出てきています。リズムであったりとか、この選手はこういうワッグルからバックスウィングに入っていくんだな、とか。それがプレッシャーかかったら急に変動するとか。
なかなか遠慮もあって聞いてきてくれない部分もあるし、お節介もできないので、難しいバランスですが、「こういう感じになったときすごくいいなあ」とかは、聞かれた時に言ってあげたいなと常に思っています。
Q:自身も、全盛期にオリンピックがあったら出たかった?
丸山:僕のときには、ゴルフがオリンピックの競技に入るなんて想像もしていなかったですから。アジア大会に自分が学生のときに出て、金メダルを取って表彰台で君が代を聞いた思い出がある。ゴルフがオリンピックに入ってくれたらいいなと思っていました。しかも東京で代表でやれたりなんかしたら、そんな幸せなことはない。
(ゴルフの)ワールドカップを日本でやった時もワクワクしましたし、そのときは(出場24カ国中11位と)打ちのめされましたが、何回か出るうちに、メキシコ大会でリベンジできたこともあったし、オリンピックは4年に1回ですけど、3大会くらい代表で頑張れる位置に(全盛期ならば)いたんではと思うし、悔しいっちゃ悔しいですけど、見届けられる場にいられるのは幸せです。
Q:9月に50歳を迎えますが、PGAツアーチャンピオンズ(米シニアツアー)への参戦は?
丸山:今はゴルフを(怪我の影響でグリップを変更するなど)イチから始めた自分と向き合っている最中。そんなに簡単ではないと思います。それでも挑戦する価値があるかないかは自分の中では分かってはいるんですけど、なんだろう、あまりにも久しぶりすぎるのと、こんなゴルフで出ちゃっていいのかという恥ずかしさとが邪魔してるんですよ。
出ることに意味があるのか、出て活躍しなくちゃ意味がないのか、そこの格闘中。「待ってるぞ」、なんて言われるんですけど、まだ一歩、出られない。あと6カ月くらいしかないですけど、きっかけづくりをしたいです。なるべくだったら、行きたいです(笑)。