世界のゴルフティーチング界に影響を与えるクォン教授
この度、ヤン・フー・クォン教授と吉田洋一郎が歴史と伝統のある「ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤー」を受賞することとなり大変な名誉と感じています。歴代の受賞者は私の尊敬するコーチばかりですが、とくに多くを学ばせてもらったデビッド・レッドベター（1991年受賞）と同じ賞をいただけたということは非常にうれしく思います。
今回の受賞は99%クォン教授の功績であり、私はおまけのようなものです。クォン教授のバイオメカニクスを用いたスウィング研究によって世界のゴルフティーチングは大きく進歩しました。タイガー・ウッズ復活の基盤を整えた前コーチ・クリス・コモもクォン教授を心からリスペクトしています。
クォン教授と吉田洋一郎がレッスン・オブ・ザ・イヤー2019を受賞した（写真は左からクォン教授、クリス・コモ、吉田洋一郎）
「Dr.クォンは情熱的な指導者であり、私にとっては偉大な師であり友人です。そして、ゴルフレッスン史上もっとも評価が高い研究者のひとりです。彼が提唱する反力打法の研究とスウィングプレーン理論は世界中のゴルフインストラクターにレッスンの理論的枠組みの変化（パラダイムシフト）をもたらしたのです。彼はスウィングはこうあるべきという私の固定観念を変えるとともに、私がレッスン哲学を構築する上でもっとも大きな影響を与えてくれました。Dr.クォンに出会い彼の研究に触れ彼のプログラムを学ぶことで、ゴルフレッスンに関わるすべてのインストラクター、コーチが長足の進化を遂げると私は信じてやみません」（コモ）
世界中の研究者から認められる
クォン教授はスウィング研究の素晴らしさだけではなく、人間性も非常に素晴らしい人物です。
クォン教授を表現するのにぴったりなのが「紳士」。いつも笑顔で怒ったところは見たことがありませんし、何か問題が起きても冷静沈着に的確な判断を下します。だからこそ、世界中の大学教授や研修者が集まる国際スポーツバイオメカニクス学会（ISBS）のプレジデントを務めることができるのでしょう。
クォン教授ほどティーチング・人間性を心から尊敬できるゴルフティーチング関係者はいません。
スウィング研究だけでなく、人間性も心から尊敬できるのはクォン教授だと洋一郎はいう
そんなクォン教授から受賞のメッセージが届いたのでご紹介します。
「この度は権威あるゴルフダイジェストのレッスン・オブ・ザ・イヤーに私の親友である吉田さんと一緒に選ばれたことをとても嬉しく思います。私たちに投票して下さったすべての皆様に心から感謝を表します。また、日ごろから素晴らしい記事を作成し、日本のゴルファーに届けてくれるゴルフダイジェストの皆様にも心より感謝します。今年私たちと一緒にこの賞にノミネートされた方たちに対しても、その功績と努力を心から賞賛したいと思います。フルタイムのスポーツ科学者にとって、この種の賞を受賞することは少々珍しいことですが、科学と実践は2つの非常に異なる世界ではないと私は強く信じています。スポーツ科学は様々な方法であらゆるレベルのコーチやゴルファーを助けることができます。 吉田さんとの仕事が、科学者とコーチとのコラボレーションのモデルケースとして役立つことを願っています。私は4月の授賞式に出席し、多くの日本人ゴルファーやインストラクターに会えるのを楽しみにしています。ありがとうございます！」
私の母は今年2月初旬に1年前に亡くなった父を追うように肺がんで他界しました。
「今年は受賞できるんじゃないかな」
亡くなる前日、地元・北海道の病院へ足を運んだ際に、酸素吸入をしながら母がかけてくれた言葉が現実となりました。見えない一票を投じてくれていたであろう母、そしていつも応援してくれていた父に、雪が解けたころ墓前で受賞の報告をしたいと思います。
今回の受賞に関して改めていつも素晴らしい研究で新たな知識を与えてくれるクォン教授に心から感謝をしたいと思います。国や言語を超えてできた絆を今後も大切にしていきたいと思います。
今回私たちにご投票いただいた皆様、ゴルフダイジェストの皆様、ライティングや撮影でお力添えいただいた皆様、すべてのお世話になった皆様に心より御礼を申し上げます。今後はより一層ゴルファーの技術向上に貢献できるように精進してまいります。ありがとうございました！
