元世界ランク1位のジャスティン・ローズが今年の1月から本間ゴルフと契約、HONMAのクラブを手にして2試合目で優勝を挙げた。そんなローズが惚れ込んだのが、山形県の酒田工場で作られるフォージドアイアン「ローズプロト」だ。「日本刀の切れ味がある」と世界NO.1プレーヤーがうなったアイアンが発売されると聞いたら……打ってみるしかないでしょう!

多くのツアープロにクラブを供給し、製品のクオリティの高さで市場での評価が高まっている本間ゴルフ。今年1月には、リオオリンピック金メダリストで世界ランキング1位にもなったジャスティン・ローズと契約を結んだことを発表し、ゴルフ界を驚かせた。

しかもそのローズが、契約後2試合目の「ファーマーズ インシュランス オープン」で勝利を挙げたことが、この契約がローズがクラブのクオリティに心底納得してのものであったことを世間に知らしめることとなった。

画像: 2019年1月に契約し実践投入2戦目の「ファーマーズインシュランス オープン」で優勝を手にした「TW-MB ROSE PROTO」

2019年1月に契約し実践投入2戦目の「ファーマーズインシュランス オープン」で優勝を手にした「TW-MB ROSE PROTO」

ローズは、「ツアーワールドTW747」のドライバーに、「VIZARD FD-7 XX」シャフトを装着。「XX(ダブルエックス)」はローズ仕様のプロトタイプである。さらにアイアンはマッスルバックの「ツアーワールド MB アイアン ローズプロト」という未発売のプロトタイプを使っており、自身のインスタグラムにアップされた写真などが話題を集めていた。

そのシャープな形状に、ローズ自身の「日本のサムライが持っている日本刀のような切れ味だ」というコメントもあり、多くのゴルファーから「打ってみたい!」という声が挙がっていたこのクラブの発売がついに発表されたと聞いたら黙ってはいられない。早速試打クラブを入手し、プロゴルファー
・中村修がテストした。

実物を見てみると、ヘッドは同社のプロモデルの軟鉄鍛造キャビティ「ツアーワールドTW747v」よりもさらにひと回り小さく、マッスルバックらしいシャープな印象。バックフェースは、トウ側を斜めに切り落としてV字形状になってはいるが、打点の後ろは肉厚で分厚い打感を思い描かせる。

画像: バックフェースの厚みは打点に合わせてややトウ寄りに設定(写真左)トップラインのトウ側が高くやさしくつかまりそうなイメージを湧かせる(写真右)

バックフェースの厚みは打点に合わせてややトウ寄りに設定(写真左)トップラインのトウ側が高くやさしくつかまりそうなイメージを湧かせる(写真右)

設計時にローズから要望があったというのがフェースの形状とスコアライン。トップラインを薄くシャープにするとともに、トップブレードのトウ側を高めにすることで、「つかまりそうな顔」を要求したという。さらに、出来上がった試作品からスコアラインのヒール側を1mm短くすることでさらにシャープな顔つきにする変更を行った。

画像: 前作(TW727M)より溝を深くピッチを狭くし繊細なスピンコントロールに対応。コンパクトなサイズでトウ側が高くなった直線的なデザインが特徴

前作(TW727M)より溝を深くピッチを狭くし繊細なスピンコントロールに対応。コンパクトなサイズでトウ側が高くなった直線的なデザインが特徴

よく「ミリ単位の調整」などというが、まさに1ミリ単位での調整が施されているのが、この世界NO.1プレーヤーのためのアイアンというわけだ。中村はこの顔つきを、こう評価する。

「構えてみると、いかにもマッスルバックらしいコンパクトでシャープな印象。ローズがいかに『抜け』を重視しているかがよくわかります。それはソールにも表れていて、いまどきのキャビティの半分くらいしか幅のない、ローズのいうとおり日本刀のようなソールですが、これなら欧州ツアーの硬い地面やラフからでも気持ちよく抜けてくれるはずです」(中村)

一般に、ソールが広いほどダフリのミスに強くなり、低重心になってボールも上がりやすくなる。しかし、ローズプロトはあくまでも、タフな状況からでも最高の結果を出す。そのことに特化した道具という佇まいを見せる。

画像: 幅の狭いソールに+2度のバウンス角でどんなライからでもスパッと抜ける機能が備わっている

幅の狭いソールに+2度のバウンス角でどんなライからでもスパッと抜ける機能が備わっている

さて、ローズプロトのテストを行った「太平洋クラブ市原コース」はフェアウェイが洋芝だが、中村が打つたびにキレイなターフがボールと一緒に飛んでいく。見ているだけで、ヘッドがスムーズに抜けていくのがわかる。鋭いリーディングエッジと薄いソールが、刃物の切れ味でターフを切り取る。

「アイアンでは引っかけを嫌がるためにトウ側をあまり高くしなかったり、つかまりすぎないように逃げ顔にするプロも多い中で、ローズの場合はトウ側を高めにしてつかまり顔を好むのは意外でした。でもそれは自分でクラブを操ってボールをコントロールしたいゴルファーにとってはちょうどよく、操作性の高さと相まって、すごくバランスよく仕上がっています。しかも、想像していたよりもミスヒットに強く見た目の印象よりやさしく感じました」(中村)

「ローズプロト」は、ロフトが7番アイアンで34度、PW相当の10番で46度と、ひと昔前のマッスルバックと比べるとわずかにストロングロフトになっている。ヘッドの重心も高めなので打ち出し角はあまり高くないが、そのぶんバックスピンが入るので、低めに打ち出してめくれ上がっていく「アイアンらしい」弾道が打てる。

画像: 太平洋クラブ市原コースの1番ホールで弾道計測器フライトスコープを使って計測した

太平洋クラブ市原コースの1番ホールで弾道計測器フライトスコープを使って計測した

「ドライバーのヘッドスピード47m/s前後の私がフライトスコープで計測してみると、7番でキャリー約163Y。バックスピンが5500rpm以上あって、ランはわずか2Y。なるほど、これならアメリカやヨーロッパのシビアなセッティングでもグリーンに球を止められます。ただし、この弾道を得るにはある程度のヘッドスピードが必要です。だからこそ、ドライバーのヘッドスピードが45m/s以上で、しかもダウンブローで打てる人が使ったら……感動ものの打感と、グリーンでピタリと止まる快感を味わえるはずです」(中村)

昨今流行りの「激飛び」でもなければ、フェースのどこに当たってもそこそこ飛ぶような「やさしさ」もない。7番アイアンは7番アイアンの飛距離しか出ないし、打点を外せばミスになる。ただし、抜けの良さ、ヘッドの操作性、手に伝わる打感、正確な距離や球筋の打ち分け……本来アイアンに必要な機能は“全部乗せ”とも言える。

「アイアン好きにこそ試してみてもらいたい」と中村。発売は3月30日。価格は5-10番の6本セットで13万2千円(税抜き)とのことだ。

「なによりこのマッスルバックの雰囲気と、『ROSE PROTO』という刻印のカッコよさ。世界トップのプレーヤーであるローズと同じアイアンを使うことは、強烈に所有欲を刺激すると思います」(中村)

ジャスティン・ローズが選び、惚れ込み、勝利をつかんだアイアン。一度手にする価値はある。

取材協力/太平洋クラブ市原コース 

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