みなさんはピッチングウェッジ(以下、PW)の下にどんなウェッジを入れているだろうか。セットのAやPS、Sを使っているという人はいいとして、単品ウェッジを入れている人の多くが「52度」と答えるのではないだろうか。PW-52-56、あるいはPW-52-58あたりが主流と言っていいだろう。
しかし、最近の女子ツアーでは、PWの下に48度、あるいは50度ウェッジを入れる選手が増えている。
たとえば小祝さくらはZ585アイアンのPWの下に48度ウェッジ、横峯さくらはM5アイアンの下に同じく48度ウェッジを入れ、松田鈴英はツアーB X-CBアイアンの下に50度ウェッジを入れているといった具合だ。鈴木愛もi210アイアンのW(他メーカーのPWに相当)の下に50度ウェッジを入れている(もちろん他にも多くいる)。
選手によって異なるが、48〜50度のウェッジの下には52〜54度のウェッジを入れ、56〜58度のサンドウェッジ的役割のウェッジにつなぐというセッティングを組んでいるケースが多いようだ。なぜか? 上に挙げたプロたちが使用するPWのロフトを、公式サイトのスペック表から見てみよう。
Z585:44度
M5:45度
ツアーB X-CB: 45度
i210:45度
といった具合。同じプロモデルでも、男子プロが使うZ-785(PWもロフト=46度)やP750(同47度)といったクラブに比べ、女子が使用するアイアンは2〜3度ロフトが立っているケースが多いのだ。
PWのロフトが44〜45度だと、アプローチウェッジ的用途として定番の52度とのギャップが7〜8度と空くことから、その間を埋める48〜50度ウェッジの必要性が増してくるのは必然と言える。
ただ、もちろん例外もいる。たとえば比嘉真美子は鈴木愛と同じi210アイアンを使うが、Wの下に52度を入れ、そこから56度、60度とつないでいる。PWのロフトが45度のAPEXプロアイアンを使う三浦桃香、同じく45度のミズノプロ918を使う原英莉花も、PWの下は52度だ。ただ、この3人には全員が飛距離ランクトップランカー(比嘉2位、原5位、三浦9位※2019年3月27日現在)という別の共通点もある。
この背景には、ひとつアイアンのストロングロフト化だけでなく、ボールの低スピン化の影響もある。硬く締められたグリーンに止めるにはスピンが必要。スピンを得るためには、重心が高くスピンがかかりやすいウェッジ形状のクラブを使うか、スウィングスピードを上げてより多くのスピンをボールに与える必要がある。そう考えると、スウィングスピードが速く、ボールにより多くのスピンを与えられる飛ばし屋女子プロたちにとっては、48度ウェッジは優先度が下がるのかもしれない。
アプローチ戦略自体、スピンのかかるボールを角溝などスピンのかかるクラブで打っていた時代から変化している。よりシンプルに、より転がしに近いアプローチが増え、1本のクラブで技術を使うより、打ち方は変えずにクラブを変えるという選択肢も有力になる。
我々アマチュアゴルファーも、そろそろ「ピッチングの下は52度」という固定観念を捨て、新たなセッティングの方向性を本格的に模索する時期にきているのかも。
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