アイアンより軽いウェッジは絶対NG!
ウェッジデザインのカリスマ、ボブ・ボーケイ氏が教える賢いウェッジ選びの基本。今回はウェッジの重さ、硬さの選び方について聞いてみた。
「ウェッジの重さというのは、とても大切なものです。重さとは総重量でもあり、バランス的なものでもあります。元々アイアンでは対処が難しいライ・コンディションを克服するために生み出されたのが、サンドウェッジであり、ロブウェッジです。
では、目玉になってしまったバンカーや深いラフなどからボールを出すためには、クラブは軽いほうがいいでしょうか? 重たいほうがいいですよね。このため、脱出用クラブとして生まれたウェッジは、その誕生当初からアイアンよりも重たいものだったのです。昔はスイングウェイトがE0になっているものも珍しくありませんでした。
今はさすがにそこまで重たくしていませんが、アイアンよりも1〜2ポイント重たくなるようにするのが基本です。そのほうが悪ライから脱出しやすいだけでなく、スウィングテンポもとりやすいのです」(ボーケイ氏)
読者のみなさんが“ウェッジ”と聞いてロフト何度のクラブを想像するかはわからないが、ボーケイ氏が上記で語っているのは、あくまでもコントロールショット主体となる、サンドウェッジ(54度〜58度)やロブウェッジ(58度以上)を指している。ロフト46度〜52度までのウェッジはフルショット主体の使い方になるため、基本的にはアイアンと同じシャフトを装着し、重量やスイングウェートに差を付けなくても問題ないそうだ。
「発売したばかりのNEW ボーケイ フォージドウェッジは軽量シャフトアイアンを使用するゴルファーが多い日本市場向けです。このためグローバルモデルのSM7に比べるとスイングウェートが軽く仕上がるようなヘッド重量にしています。日本で主流となっている一般的なアイアンセットに対し、1ポイント重たくなる特別なスイングウェート設定です。SM7では重た過ぎると感じていた方は、ぜひ一度ボーケイフォージドを試してもらいたいですね」(ボーケイ氏)
また、シャフトの硬さもフルショット主体のロフトのウェッジは、アイアンと同様でOK。コントロール主体のロフトのウェッジは、アイアンよりも1フレックス軟らかくするとテンポがとりやすくなる、とボーケイ氏は教えてくれた。
ソールグラインドが命のウェッジだが、ライ角があっていなければ効果も半減!?
NEW ボーケイフォージドウェッジは、日本のコース環境に合わせ、最適なソールグラインドがあらかじめチョイスされているという。そして理想的なソールリアクションを生みだすために、専用のバウンス角がコンビネーションされている。基本的には次のように難しいことは考えず、アイアンセットに合わせてウェッジのロフトを決めていけばいいようだ。
「ピッチングウェッジのロフトを出発点に、サンドウェッジまでを4度〜6度のロフト間隔になるように複数のウェッジで埋めていく。それが常に変わらないウェッジコンビネーションの基本です。そうすることでフルショットの距離が約10ヤード刻みになってきます」(ボーケイ氏)
ボーケイ氏はロフト選びの基本に続いて、次のようなアドバイスをくれた。
「ウェッジショットの安定性を高める上で、欠かすことができないのがライ角度のチェックです。いくらヘッドの重心設計を精密にしても、ソールグラインドやバウンスを選び抜いても、ライ角度が合っていなければ何の意味もないのです。アイアンと同じく、ウェッジのライ角度についても一度チェックしてみることをオススメします」(ボーケイ氏)
ボーケイウェッジのフィッティングカリキュラムでは、必ずライ角度チェックを行い、その上でグラインドやバウンスの決定をしていくという。では、皆さんはウェッジのライ角度を気にしたことがあるだろうか? 筆者はロフト角度ばかり気にしていたように思う。その証拠に愛用ウェッジのライ角が何度か答えることができなかった。
ウェッジの打感がいまいちだ。ソールの抜けが悪い。距離が出ない。そんな症状がある人はライ角度をチェックしてみるといい。ほんの少し調整するだけで、まるで違うウェッジのようになることもあるそうだ。