ゴルフが上手くなりたい! という意欲はあれど、練習に費やす時間がなかなか捻出できない。働き盛りのゴルファーならば、そんな悩みを抱える人も少なくないはず。インストラクターのアッキー永井が忙しい現代人が効率よく上達するために必要なことを考えた。

ゴルフに反復練習は必要か?

クラブの性能が大きく向上し、距離計測機にスマホ、弾道計測器などのがジェッドは発達。スウィングのハウツーはインターネットによって以前よりもはるかに学びやすくなった。しかしどうだろう、日本全体でアマチュアゴルファーのレベルは上がったのだろうか? ゴルフ人口全体のうち約8割を占めるという100を切れないゴルファーの率は下がっただろうか? 正直、首を傾げてしまうのが現状だ。それは一体何に問題があるのだろうか? ズバリ筆者は「練習方法」にあると考えている。今回はその練習方法について考えていこうと思う。

「トラックの荷台1杯分のボールを打たないとシングルにはなれない」なんてフレーズを聞いたことはあるだろうか。ゴルフを続けているとどこからともなくこうした情報が入ってくる。まさかそんなに、と思いつつもそれを完全に否定できる根拠も存在せずこの伝説は今も語り継がれている。

画像: 効率よくゴルフが上達する練習方法とは?(撮影/増田保雄)

効率よくゴルフが上達する練習方法とは?(撮影/増田保雄)

事実、反復練習には効果がある。ある工場労働者の作業効率を何年間にもわたり観察したところ、
その作業にかかる所要時間は年々短縮されていき、その成長が止まることはなかったそうだ。

しかし、週休2日のアマチュアゴルファーがトラック一杯分ものボールを打つ時間はない。まして都心部の一球20円程度する練習場では投資額も多大になってしまう。したがって、動きを覚え、精度を高めていく方法として反復練習は必要だが、その質を上げることで「量」については最低限に留めることがポイントとなるだろう。

反復練習の効果を高める

練習に費やす時間を短縮するためにはどうしたらいいのだろうか。とにかく練習が好き、練習もライフスタイルのうちということであればそれはそれで良い。しかし、あまりにも練習に費やす時間が大きいと仕事はおろか家庭平和にも影響を及ぼす可能性があるのでやはり人生全体の豊かさという意味
でも効率よく練習をすることは大切だ。筆者は、ポイントは3つあると考える。

1.目標を設定すること
現状に満足してしまうと、結果から吸収できるものがなくなってしまう。毎ショットホールインワンを狙うほどの高い目標は必要ないが、常に今の自分をちょっと超えるくらいの目標を設定することが成長を促す。かの名手ゲーリー・プレーヤーの名言に「ゴルファーの最大の敵は、自分であり、他の誰でもない」というものがある。つい自分を甘やかしてしまう自分こそが最大の敵なのだ。

2.有酸素運動を取り入れること

ハードなランニングなどは必要ない。1日約30分程度のジョギング、サイクリングなどをすると脳の中で栄養が行きわたり、海馬という記憶に関わる部分が活性化されると言われる。それによって記憶や運動をつなぐネットワークが広がり、新しい情報を吸収しやすくなることが期待できる。打ちっぱなしへ直行する前に、軽く散歩すると効果が上がるかもしれない。

3.楽しむこと

上達に貪欲になればなるほど結果に一喜一憂してしまうのは仕方のないことだが、楽しいことほど物覚えは早いものである。ポイントとなるのはポジティブに取り組むための工夫だ。たとえばオススメなのは、グリーンを狙ったり、カゴに入れることを目標にしたりと、ゲーム性を取り入れた反復練習。

これをゴルフ仲間と一緒にできればなおいい。飽きもこないし、ライバル心が芽生えてモチベーションも高まるからだ。最近はSNS上にゴルフコミュニティも多数存在するので、そういったところで練習仲間を募ることもできるかもしれない。

ただ、当然ながら年を追うごとに成長のスピードは遅くなる。筆者が指導者の資格を持つTPI(タイトリストパフォーマンス研究所)でも、ある程度の技術が身についた段階からは反復練習からランダム練習に切り替えて、毎度異なる選択、異なるシチュエーションを想定して練習することが望ましいとされている。つまりある程度動きを覚えて、精度を高められたら「実践力」を磨く段階へと進むのだ。

物事においてその道を極めるには1万時間を費やす必要があると言われているが、社会人ゴルファーはゴルフ部の学生やプロゴルファーと違って限られた環境と時間の中でやりくりしなければならない。言うなればPDCAの「P」(計画)にしっかり取り組むことで「D」、練習の効果を最大化することが上達の近道になるだろう。

画像: クラブがインサイドから降りるバックスウィングの上げ方【レッスン放浪記・鈴木真一プロ編①】 youtu.be

クラブがインサイドから降りるバックスウィングの上げ方【レッスン放浪記・鈴木真一プロ編①】

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