国内女子ツアーが盛り上がりを見せているその影で、世界を舞台に戦うプロたちもいる。女子ヨーロッパツアー(Ladies European Tour、以下:LET)で戦う中山綾香もその一人。LETはヨーロッパ圏内だけでなく、オセアニアやアジアでも試合が開催されるため、その移動距離は地球何周分にも匹敵する。過酷なツアーを戦う中山に、話を聞いた。

中山綾香プロの経歴

現在25歳の中山綾香がゴルフを始めたのは小学生の頃。

「親に連れられてジュニアレッスン会に参加したのがきっかけ。当時はゴルフっていうより、ただの“球打ち”って感じでしたけど(笑)」(中山、以下同)

そして中学に進学すると同時にゴルフ部に入部、そこから本腰を入れ始めた。周囲は強者揃いで、試合でもたくさんの苦い経験を重ねてきた。ただそういった試練を乗り越えるたび楽しさを覚えていったようだ。

画像: 高校2年生でアメリカへゴルフ留学した中山綾香。現在は欧州女子ツアーに登録している

高校2年生でアメリカへゴルフ留学した中山綾香。現在は欧州女子ツアーに登録している

高校に進学し二年生になると松森彩夏と川岸史果が入ってきて、さらにハイレベルな環境となった。自身のゴルフスキルも順調に伸びてはいたが何か足りない気がしていたという。

そこで興味をもったのが海外へのゴルフ留学。当時まだ開設間もないIJGA(International Junior Golf Academy)日本事務局に問い合わせをしてすぐさま留学の準備を始めた。

「高校2年生で留学したんですが、ゴルフ留学に行く年齢としては早いほうじゃないんです。アメリカ国内で大学進学をするためには学業もゴルフも両方の成績が求められるので、ハードルは高かったですね」

しかしそのハードルの高さが本人の心に火をつけたのか、立て続けに試合で好成績を残し学業面でも優秀な成績を収めた。その結果、フルスカラシップでのUCF(University of Central Florida:セントラルフロリダ大学)進学が決まった。UCFはNCAA(全米大学体育協会)のディヴィジョン1に所属する大学、いわゆる「強豪校」である。

アメリカの大学というと文武両道が原則となり、厳しいイメージを持たれるかもしれないが本人曰くそんなことはなかったようだ。

「やることが多いだけで大変とか辛いという感覚はありませんでした。大学時代はゴルフチームの活動だったり、学業やボランティアをしたりで4年間を過ごしました」

一度は経営学を学びに大学院に行くことも考えたが、プロゴルファーの道を選択。卒業したその年(2017年)にLETのQスクール(予選会)にチャレンジし見事ツアーカードを獲得。そして現在に至る。

大学卒業から約2年が経ち、プロゴルファーとしての経験も積んだことで見えてくることもあったようだ。

「プロゴルファーになると、自分の生活のほとんどをゴルフに費やすようになりますよね。どんなときにもゴルフのことが頭をよぎり、うまくいかない時はなぜゴルフをしているのか、楽しかったときのゴルフはどんな感じだったのか分からなくなって、一時は辞めることも考えました」

しかし、かつて大学時代に参加した障害者スポーツのボランティア活動で「ボールが打てただけでも嬉しい」と、喜んでもらえたことに涙が出るほどの感動をした記憶が今も鮮明に刻まれているそうだ。

画像: 大学時代のボランティアの経験が自分のゴルフ観を変えたという

大学時代のボランティアの経験が自分のゴルフ観を変えたという

「突き詰めると、自分がしたいのはゴルフがただ楽しいというだけでなく、その中で変化していく自分、チャレンジしていく自分の姿を発信すること。それによって、少しでも多くの人に変わることやチャレンジすることの勇気を与えることだと気づいたんです」

その大義のため、一度自分のゴルフ観を変え、技術も一度まっさらなところから丁寧に立て直そうと思えた。そこで友人とタイでゴルフ合宿をした。ゆっくりと時間をかけて練習することで「自分のゴルフ」と腰を据えて向き合う時間を作ることができた。

ゴルファーというのは自分が何年もかけて作ってきた技術をひっくり返して修正するのには手間がかかったり、その間のフラストレーションに耐えられず避けるものだ。だが、彼女は落ち着いて2年後、3年後の自分を見据えて取り組んでいる。

2019年は欧州女子の下部ツアーが主戦場

2018年度はレギュラーの試合4戦に参戦したがいずれも予選突破ならず、2019年度は下部ツアーであるLET Access Seriesからの参戦となる。全部で18試合が開催され、フランス、スイス、チェコ、スウェーデン、スペイン等国境をまたいでの戦いとなる。

画像: 世界を股にかけて戦う中山綾香の活躍に注目だ

世界を股にかけて戦う中山綾香の活躍に注目だ

そのため、日本との往復回数を減らすためにもいくつかの試合に狙いを定めて出場する形となるだろう。LETには日本人選手が中山を含めて計4人登録している(寺西飛香留、桑原えりか、中山三奈)が、いずれの選手も若手。

遠い大地で戦う彼女たちが陽の目を浴びる将来もそう遠くはないだろう。

画像: プロゴルファーはどんなクラブを選ぶの?幡野夏生と井上透コーチが徹底解説!~これってどうしてる?#12~ youtu.be

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