スウィング改造に成功
国内開幕戦で注目するのは、昨年三井住友VISA太平洋マスターズでツアー初優勝を挙げた額賀辰徳選手です。優勝後にインタビューしたところ、フェースの開閉を抑えるようなスウィングをイメージしたところ、それがハマったのだと教えてくれました。
下半身のリードで切り返し、左に壁を作って腕とクラブを加速させ、フェースローテーションをしっかり使って球をつかまえて打つ。そんなごくオーソドックスなスウィングから、グリップを少しストロングに握り、フェースをシャット(閉じた状態)に上げ、体の回転でボールをつかまえるボディローテーションスウィングへの移行したのです。
スウィングをチェンジしていく理由はクラブやボールの進化への対応ということもあるでしょうし、体への負担を減らすという意味もあると思います。しかし、それまでクラブをリリースしてフェースをターンさせて打ってきたものをリリースしないようにしながら回転で打つには時間もかかります。
昨年の開幕戦では、今最も注目されるコーチの一人であるジョージ・ガンカスが提唱する「GGスウィングティップス」の実践者の一人であるデビッド・オーからアドバイスを受けている姿をたまたま見かけましたが、迷いながらもそれを続けてきてことが「VISA太平洋」で開花したのだと思います。
それまでの額賀選手はズバ抜けた飛距離が魅力の大型プレーヤーではあったもののショットが安定せずに体を痛めることもありました。しかし、スウィングの方向性が決まった状態で迎える今年の開幕戦を、昨年とは大きく違う状態で迎えています。
写真を見ると、切り返しで左への体重移動は少なく右サイドに体重を残したままヒップターンをしています。GGスウィングティップスを教えるジョージ・ガンクスから直接現地で指導を受けた藤本敏雪コーチを帯同し、スウィングを確認しながら練習ラウンドを行っていました。
練習ラウンドでは、飛距離は以前と変わらずに、球の散らばり方が少なくなって、確実に良い方向に進んでいるように見えました。
気が早いですが、このまま順調に結果を出し、自信をつけていけば、35歳とベテランの領域に足を踏み入れてはいますが、海外での活躍も期待できるプレーヤーだと思っています。
活躍するためにはコースとの相性も重要になってきますが、まずは開幕戦での活躍を期待したいと思います。