先週の女子ツアー「フジサンケイレディスクラシック」は、トップと7打差の19位タイからスタートしたシン・ジエが、圧巻の9バーディ1ボギーの63(コースレコード)で大逆転。その日シン・ジエ同組でプレーし、自身も「67」とスコアを伸ばして11位タイでフィニッシュした松田鈴英に、その凄さを聞いた。

最終組がスタートする1時間半前。松森彩夏、松田鈴英、シン・ジエの3人はともに首位から7打差と大差をつけられた状態で最終日をスタート。それから数時間後、シン・ジエは見事勝利をつかむことになる。パット数は18ホールでわずか「23」。サンデーバックナインでスコア「29」は見事としか言いようがない。

画像: パナソニックオープンの会場で、松田鈴英に話を聞いた

パナソニックオープンの会場で、松田鈴英に話を聞いた

歴史的逆転勝利を手中にしたシン・ジエだが、実は前半はスコアを1つしか伸ばせていない。松田鈴英と二人三脚でツアーを戦う父・直樹さんは、その前半のプレーにシン・ジエの強さを見たという。

「シン・ジエさんは前半あんまり調子が良くなくて、普通だったら2オーバーくらいしててもおかしくない感じだったのですが、アプローチがどこからでも寄るしパットも入って、1アンダーでターンしたんです」(直樹さん)

そして、バックナインでの大逆転劇につながっていくわけだが、実は終盤の15番の段階で松田とシン・ジエは同スコアで並んでいた。

「イーブンパーからスタートして、鈴英も前半3つ伸ばして、14番で2人ともバーディを獲って、5アンダーで並んだんです。ここから誰が抜け出して行くのかと思ってたら、14番からの4連続バーディでシン・ジエさんが一気に抜け出ました。トップと7打差のスタートという位置から優勝できるんだと改めてその可能性を再認識させられました」(直樹さん)

松田自身も、この日のシン・ジエのプレーに深く感じるものがあったようだ。

「目の前で見させてもらいましたが、すごかったです。とにかく前半はアプローチとパットでボギーを打たない。後半にショットが良くなると、どこからでも入れてくる。打ち方のバリエーションが豊富で、私のレベルとは違うところにいます」(松田)

画像: シン・ジエの大逆転勝利を同組で見守った翌週、松田は練習日に入念にアプローチを練習していた

シン・ジエの大逆転勝利を同組で見守った翌週、松田は練習日に入念にアプローチを練習していた

女子ツアーの選手誰もが認めるシン・ジエの技術。松田も「教えてもらいに行きたい」というほど、目の前でその実力を痛感したようだ。

「もっと自分のレベルを上げて行かないと」と決意を新たにした松田鈴英。さらなるレベルアップを果たした先には、初優勝が待っている。

撮影/三木崇徳

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