「ナイスアプローチ!」さて英語ではなんと言う?
まずは、プレー中によくあるコミュニケーションの一つ、「ナイスショット」。プレーの同伴者が打った良い球に対して「ナイッショ~!」と声をかけた経験、ゴルファーなら数え切れないほどあるだろう。でも実は「ナイスショットって、英語圏だとほとんど言わないんです」というのは、アメリカ生活14年のプロゴルファー・タッド尾身だ。
「日本では『Nice shot』と言いますが、英語では『Good shot』です。ナイスとグッド、どちらも同じような意味合いですが、ナイスは若干ニュアンスが弱いため、グッドのほうが喜ばれる表現なんです。ナイスは女性や子供が柔らかいニュアンスで用いることも稀にありますが、基本的には『Good shot』。さらに良いショットが出たときは『Great shot』と声をかけてあげましょう」(タッド尾身、以下同)
ちなみに、とくにグリーン周りのアプローチを褒めたい際は「Good chip」、パターなら「Good put」、バンカーショットはバンカーから“出す”ことが重要なため「Good out」、ドライバーやアイアンなどは振っていくクラブなので「Good swing」とも表現するそうだ。
全体的に、英語圏の人を褒めるならばナイスではなくグッドが良さそう。
向かい風は「ヘッドウインド」
続いては、屋外でプレーするゴルフに付き物の「風」に関する単語。日本ではゴルフにおける向かい風のことをアゲンスト(against)、追い風のことをフォロー(follow)と言う。しかし実は、この2つは和製英語。「海外ではまったく通じないです」とタッドは言う。
「主にヨーロッパ、アジア圏では、向かい風を『Head wind(ヘッドウインド)』、追い風を『Tail wind(テールウインド)』と言います。ヘッド(頭)とテール(尻尾)=前方と後方といったイメージで、一番よく使われている表現ですね。航空用語としても使われています」
さらに、また別の表現もある。
「向かい風を『Into the wind(イントゥ ザ ウインド)』、追い風を『Down wind(ダウン ウインド)』という言い方もあります。こちらは主にアメリカ・カナダ圏で使われていますね。前者は“風の中に入っていく”、後者は“落ちるように押してくれる”っていう意味合い。僕はアメリカで生活していたので、こちらを使う機会がほとんどでしたね。Head wind、Tail windも、もちろんアメリカでも通じますよ」
同じ英語、同じ事柄でも、国・地域によって表現は変わってくる。意外と知らないゴルフ用語の英語豆知識、異国のゴルファーとラウンドするときに役立つのはもちろん、ラウンド仲間との会話のタネとしても面白そうだ。
取材協力/新橋ゴルフスタジオ