トッププロの間でも使用率が高いタイトリストのTSシリーズに、新たにラインナップされた「TS1」。さっそく実際にTS1を打ったプロゴルファー・中村修のインプレッションを聞いてみよう。
「直進性が非常に高い。何球か打って、多少芯からズレた当たりもあったんですけど、まったく飛距離も落ちずにロースピンでまっすぐ飛んでいきました。それでいて打感が軟らかいのが好印象です」(中村、以下同)
タイトリストのドライバーというと、弾道を操りたいプロ・上級者向けという印象があるが、このクラブに関しては違う。ピンのG410シリーズに代表されるような、慣性モーメントの大きい、曲がりにくいドライバーという印象のようだ。
TS2はタイトリストのプロモデルの中でもやさしい・打ちやすいという評価のあるクラブだが、スライスが持ち球のアベレージゴルファー層では打ちこなすのが難しいという声も聞く。しかし、その点TS1はかなり振り切った性能になっている。
「見た目もシャローで投影面積が大きく安心感があります。基本的には曲がらないのですが、キレイにフェースがターンしながら戻ってくる感じで、フェースが開いたまま当たるっていう感覚はないです」(中村)
こう中村が評価するように、海外ブランドでいえば、キャロウェイの「エピックフラッシュ スター」、テーラーメイドの「Mグローレ」のような間口の広さを持つクラブと言えるようだ。
「ヘッドスピード40m/s前後のスライサーをイメージしてややカットに振ってみましたが、やはりしっかりつかまってくれます。中弾道で強めの球、スライス回転がほとんどかからず、やや左に出てそのまままっすぐ行ったような弾道になりました」(中村)
今回の試打は、50グラム台でSフレックスの純正ディアマナシャフトを使用して行った。これで総重量は275グラム。この振り抜きの良さによる加速感は、従来のタイトリスト 、そして「TS」シリーズとは明確に異なり、“スピード”や“飛び”、“やさしさ”と言った部分が強調されている。
もっと軽いシャフトを選べばさらに振り抜きが良くなるだろうし、ハードなシャフトを選んで組めば、ハードヒッターでも使えると中村。性能がとがっているだけに、注目を集めるクラブになりそう。
テーラーメイド、キャロウェイ、ピンと言った海外ブランドを中心に展開する現在のドライバー市場。「飛んでやさしくなければドライバーにあらず」状態の激戦区にこのTS1が加わることで、さらに競争が激しさを増しそうだ。