狙い目ドライバーは「GBBエピック」に「初代M2」あたりか
とある筋から、最近、中古クラブの売価が下がっているという情報が入ってきた。たしかに、このところ趣味のゴルフショップ巡りをしていても、「えっ、このクラブこんなに安くなっているの?」という驚きに何度も遭遇した。
普段から、販売価格をウォッチし続けている筆者のような人間には、このクラブはだいたいこのくらいの値段、というある程度の相場観が備わっている。それよりも安くなっているクラブが多いということだ。
20年くらい前、中古ゴルフショップが増え始めた頃は、中古といえどもゴルフクラブは高かった。例えば、定価が11万円の「プロ230チタンエイト」が中古クラブであったとして、それが5万円前後で販売されていたら、ゴルファーはその安さに飛びついていたのだ。今なら、現行モデルの新品ドライバーが買える値段だ。
2000年代に入ってからは、マークダウンといって、型落ちしたクラブを安く販売されることが多くなった。クラブは1年から2年周期でモデルチェンジするので、新製品の発売直前になると、40〜60%引きにまで一気に売価が下がるのだ。
一時は、このマークダウン商品が市場シェアの4割を有に超えていた。1年ないし2年待って、型落ちモデルを狙うゴルファーは今も少なくないだろう。中古クラブの相場も、値下げするのがわかっているので、早めに下落するようになった。
このところの値段下落は、それだけが理由ではない。ここ数年、テーラーメイド「M」シリーズ、キャロウェイ「GBB エピック」に代表されるように、新製品のヒット作が数多く生まれ、ゴルファーの注目もそちらに集まるようになってきた。現在は、ちょうどそれらのモデルがマークダウンを経て、中古在庫も集まり始めた時期だ。
ヒット作は人気も高いが数も多いので、ある時期をすぎると在庫がだぶつくおそれがある。そこで売れ足を早くするために安価にする。そして、ヒット作が安くなれば、他のメーカーのクラブもそれに引っ張らざるを得ない。商品としての魅力が相対的に落ちてくるからだ。ここ最近の中古クラブの値下げは、そのあたりが原因ではないかと思われる。
さて、そんな折なので、コスパの高い筆者のおすすめモデルを紹介しよう。まずは、テーラーメイドの「M」シリーズだ。初代「M1」はすでに1万円強で購入できる。名器の誉れ高い「M2」や二代目「M1」も1万円台で十分購入可能だ。
プロの使用率が高く大きな話題になったキャロウェイ「GBBエピック」やプロギア「RS」シリーズも2万円前後になっている。程度によっては1万円台で購入できるものがあるだろう。「GBBエピック」は、上田桃子をはじめ、現在も多くのツアープロが試合で愛用していて、近年ではとりわけ評価の高いドライバーだ。
意外と狙いめなのが、地クラブ系だ。本来は10万円を遥かに超えるような高価なドライバーだが、買ったその人にカスタマイズするという性格上、中古での人気はそれほど高くない。その結果、『Jビーム BM-435』や『ロッディオ』など一部の人気モデルを除くと、驚くほど安価になっていることがある。気に入ったスペックがあれば、相当お買い得感があるだろう。
ウッド類やアイアンもかなり安くなっているが、ウェッジ類の売価下落も大きい。1代前のモデルなら程度がいいものも数千円で変えるし、現行モデルでも1万円を切ることが珍しくなくなった。モデルチェンジしてもウェッジの性能差はそれほど大きくない。価格的にもお試ししやすく、60度以上のウェッジなど、普段使っていないロフト角を買い足すにもいい市場環境になっている。「
ボーケイ SM6」あたりがおすすめだ。
こうしてみると、高くてもいいから最新のモデルが欲しいゴルファーと、数年前のモデルで十分と考えるゴルファーとの二分化がさらに進んでいるようだ。安くならないと食指が動かないゴルファーにとって、今は買い時と思えるが、どうだろうか。