サスペンデッドで“大忙し”に。ゴルフカメラマンの撮影日誌
宮里藍サントリーレディス。藍ちゃんの名を冠してから2回目の大会で、サントリーレディスとして29回目。
土曜日のサードラウンドは、雷雲接近の影響で最終組9番グリーンプレー中にサスペンデッドが決定。その残りと、最終ラウンドが日曜日に行われるという進行予定に。
迎えた日曜日。サードラウンドでスコアを伸ばした選手も落とした選手もいますが、進行の都合上、スコア順のペアリングではなく、そのままの組み合わせで最終ラウンドをスタートするため、順位がメチャクチャなスタートに対応しなければなりません。
カメラマンとしてもっとも怖いのは、INスタートの“裏街道組”と、早いスタート組のバーディラッシュ。いわゆる“爆発”です。
たとえば先週優勝の上田桃子、その同組に実力者の岡山絵里。ともに3アンダーで最終ラウンドに進んだ裏街道組です。もし彼女たちが60台前半のスコアで回ってきたら……優勝者の写真がない! なんていう事態は考えるだけで恐ろしいものです。
また、表街道組からも、最終組より1時間40分早くスタートした菅沼菜々と1時間20分前スタートの黄アルムはともに5アンダースタート。そして1時間10分前スタートには7アンダーの宮里美香がいます。
普段はスコア差を勘案して早めに何らかの撮影は行なっていますが、朝の時点で裏街道組の写真はゼロ。まったく撮っていない状態です。限られた時間とホール数の中で、選手たちのスコアを睨みながら動きます。
18番グリーンでサスペンデッドの残りを撮り終え、すぐ隣の最終ラウンドのスタートティに赴いたとき、すでにあと3組を残すのみ。選手の休憩時間もほとんどないでしょう。
ギャラリースタンドは満席で、ティイングエリアからフェアウェイに続くロープサイドにも沢山のギャラリーが集まっています。
最終組の鈴木愛10アンダー、イ・ミニョン8アンダー、松田鈴英5アンダー。この組とともに1番グリーンに向かいます。ただ気になるのは早くスタートした好スコアの選手たち。
この1番ホールはパー5。選手たちにしてみれば、ここでバーディをとって(私は『撮って』!)流れに乗りたいところ。が、そうは都合良くいかずに全員パー。
こうなると気持ちはこの組から少し離れて、早いスタート組に行きたくなります。で、目指すは宮里美香組。9番ティから付きます。このままこのホールをグリーンまでついて行き、お次は裏街道の上田桃子組へ。
この組に辿り着くには、高低差50メートル(目測)の18番の急坂を逆行して行かねばなりません。
そして、その先にある17番はパー5のホール。今朝のサードラウンドで河本結のイーグルを目の当たりにしたばかりです(あまりのスーパーショットでOKイーグル状態。写真にならず)。
そして、上田桃子は2007年のミズノクラシックでアルバトロスを決めた実績もあります。でしたがこのホール、上田のティショットはフェアウェイの絶好の位置をとらえたにも関わらず、残念! バーディならず。
この時点で5アンダー。同組の岡山はティショットがラフにも関わらず、そこから3オンワンパットのバーディ。ティショットの結果だけでは、パー5の結果はわかりません。
再び表街道に戻ります。今期開幕戦優勝の比嘉真美子が伸ばしています。前半を2アンダーで折り返して後半も勢いが止まらない。そこでまたも急坂の18番を逆走して17番へ。
このホール、セカンドショットをバンカーに入れ、そこからグリーンに乗せるもバーディパット決まらずパー。惜しい! この時点で10アンダー。
このまま比嘉真美子組とともに18番グリーンへ。比嘉、長いバーディパットをズドンと決めた! 握った拳を振り下ろして11アンダー。現時点でトップタイです。
あとは後続の組を待ち受けます。18番グリーン傍にある大きなリーダーズボードで戦況を見ながら
、もうジタバタできません。鈴木愛のスコアが更新されて11アンダーから13アンダーになりました。
ここで優勝は決定的に。18番セカンド地点フェアウェイにある彼女のボールまで戻ります。で、ギャラリースタンドを入れたウイニングショットを撮り、それからグリーンへ。
このホール、パーパットは外してしまいましたが、短いウイニングパットを旗を抜いてからカップイン。両手を上げて優勝を喜びました。
優勝した愛ちゃん、おめでとう。そしてアンバサダーの重責を務めた藍ちゃん、お疲れ様でした。
優勝セレモニーの後のフォトセッションで、優勝カップを掲げたアンバサダーと優勝者に「アイちゃん!」と声をかけて、二人に目線を向けてもらったことはご愛嬌です。