こんにちは、ケンジロウです。カリフォルニアのモントレー半島ペブルビーチゴルフリンクスよりお届けしております。
「U.S.オープン」、最終日が終わりました。
ゲーリー・ウッドランドが、2つ伸ばしてトータル13アンダーとし、ケプカの猛追もかわして逃げ切りました。最後はバーディフィニッシュですからね。いやぁ、強かった。2日目からずっと首位を守り続けました。ウッドランドもこれでスターへの階段を一歩上りましたね。
今日も朝から曇天が続き、気温もほとんど上がりませんでした。海から冷たい風も吹き……とここまで書いて、「このフレーズ毎日書いているなぁ」とつくづく思うくらい、今回のUSオープンは結局最後までスカッとした青空を拝めませんでした。まるで全英オープンのような鉛色の空、冷たい海風、ときおり降る霧雨、カメラマン泣かせの一週間だったと思います。
そんな天候でしたが、ギャラリーは毎日パンパンに入っていました。チケットもよく売れたみたいで、一週間トータルで約25万人が入場しました。
チケットの料金は日によって違い、一般的なチケットの値段は木曜、金曜日が100ドル、土曜日、日曜日が145ドルとなっています。
25万人のギャラリーが入ったとなると、この1週間だけでUSGA(全米ゴルフ協会)は相当な額の収入が入ってきたことでしょう。
これだけギャラリーが入った理由はいくつか考えられますが、今週はタイガーのメジャー優勝がかかっていたり、フィル・ミケルソンのメジャーグランドスラムがかかっていたり、さらにブルックス・ケプカの3連覇やロリー・マキロイの二週連続優勝などとにかく話題が目白押しだったんです。この太平洋に突き出たモントレー半島に多くのゴルフファンが押し掛けてきたのもうなずけます。
当然のごとくペブルビーチ至近のモントレーの街の宿は高騰していて、我々取材陣が泊っている宿は一泊350ドルします。しかもホテルではなくモーテルでその値段ですからね。
では、いったいどんな人たちがUSオープンを観戦しに来ているのか? 練習場で熱心にタイガーのスウィングを撮影していたデルガドさん親子に話を聞きました。
アルマンド・デルガド(父)さんとアレッサンドロ・デルガド(息子)さんの2人です。
最終日は父の日だったのですが、誕生日プレゼントでUSオープンのチケットを息子さんからもらったそうですよ。
「木曜日と日曜日のチケットを去年の7月にもらったんだよ。息子からのサプライズでね。とっても嬉しかったよ。我々はサンディエゴから来ているんだけど、コースから車で45分ぐらいかかるサンタクルスという町に宿をとったんだ。6泊7日で1700ドルの家を借りて家族で泊っているんだよ。1泊あたりは300ドルを切るからモントレーより安いだろ? サンタクルスからはウーバー(配車アプリ)でコースの近くまで来て、最後はシャトルバスでコース入りしているよ」
素敵な誕生日プレゼントですね。いい父の日になったことでしょう。
さて、そんなファンの人たちの人垣はどこにできているのか? 毎日コースを調査していると誰が人気あって、誰が人気ないのかなんとなくつかめてきました。
今週のフィールドの選手で、人気の順にトップ10を並べてみました。ファンへの聞き込み、ギャラリーの数の多さなどで、判断しました。
1位タイガー・ウッズ
2位フィル・ミケルソン
3位Tジョーダン・スピース
3位Tリッキー・ファウラー
3位Tマット・クーチャー
3位Tダスティン・ジョンソン
3位Tロリー・マキロイ
8位Tブルックス・ケプカ
8位Tジャスティン・トーマス
8位Tゲリー・ウッドランド
ざっとこんな感じですかね。タイガーとフィルは断トツの人気。ファンの多くはこの2人に集中しています。
ギャラリーの方に聞くと、それでもやっぱりフィルよりタイガーのほうが人気があるとか。
そして意外と人気があるのが、マット・クーチャー。なぜ人気あるのかファンに聞き込みをしてみると、「彼は凄くナイスマンだから」とか「いつもニコニコしてるじゃない」とのこと。余り根拠はないのかもしれないです。
スピース、DJ、ファウラーは安定した人気で、子どもたちからもよくサインをねだられています。 一方でメジャーを何度もとっている割にはそこまでの人気じゃないのがケプカ。成績としてはもっと人気が出てもいい選手なんですけどね。
セルヒオ・ガルシア、ジャスティン・ローズ、フランチェスコ・モリナリといった欧州勢は、全米オープンとなるとやはりアウェイ感がありましたね。最終組はウッドランドとローズでしたが、ローズが打つ前に「USA! USA!」コールをしているギャラリーを見かけたほどです。ちょっとあからさますぎますよね。ローズは声の主を見つけて睨んでいましたよ。
タイガーやマキロイらがホールアウトした後でも18番ホールにはウッドランドの優勝の瞬間をひと目見ようと、多くのギャラリーが詰めかけていました。最終組が18番に来た頃には日が暮れ始め、気温もグッと下がっていましたが、ギャラリーは誰一人として帰りませんでしたね。
日が暮れたあと、帰りのギャラリーバスを待つ人たちで入場ゲートには長蛇の列ができていました。
もうすでに来年のUSオープンのチケットも販売開始しているみたいです。2020年の開催地はニューヨークのウィングドフットGCですよ。