話の発端は、葭葉が師事するコーチが、ニチレイレディス会場のギャラリープラザ(ギャラリー向けの飲食・物販スペース)に椅子を買いに行ったこと。そこでコーチは、スリクソンのアイアン型ユーティリティを見つける。
見れば“試打用”のラベルが貼られたいわゆるひとつの試打クラブ。つまりは中古。値段もスチールシャフト装着モデルが4000円、カーボンシャフト装着モデルが5000円と安価だったことから、自分用にと購入した。
それを「半分冗談で」葭葉に使わせてみたところ……これがズバッとセッティングの急所にハマり、急遽練習ラウンドでテストを行うことに。
「ちょうど190から200ヤードを打てるクラブを探していたんです。高さも出ているので、パー5の2打目や長いパー3で風がアゲンストのときなんかに使えそうと思ったんです」(コーチ)
葭葉は、5番ウッドでも215ヤードのキャリーが出せる女子ツアーでイチ、ニを争う飛ばし屋だが5番ウッドが飛ぶだけに、アイアンとの“つなぎ”的番手が求められていたようだ。
そんなわけで練習ラウンドでテストされた“試打クラブ”、葭葉の評価はこうだ。
「これは面接通過です。本採用ですね。ラインも出るし高さも出ます。(今まで使っていた)ユーティリティよりもイメージが出しやすいです」(葭葉)
もともと、「どうせシャフトも替えるから、『試打用』のラベルが貼ってあっても気にしない」と考えていたが、なんと試してみたらシャフトもそのままでいける、ということに。本当に、ギャラリープラザで2本合計9000円のクラブが、そのまんまプロのバッグに収まってしまったわけだ。ついでに言えば、「試打用」のラベルも剥がさないそうだ(笑)。
というわけで、ニチレイレディスでの“採用”が決定した「試打クラブ」。もしかしたら、どこかの試打会であなたが打ったクラブかも!?