勝みなみをはじめ、98年度世代の選手を「黄金世代」と言うのが定着。黄金世代が勝つたびに大きな話題となるが、本人たちはどう思ってるのだろうか。2018年のCATレディスで初優勝を飾った大里桃子と、今年初優勝を挙げた渋野日向子に聞いてみた。
注目されているというのは嬉しい? それともプレッシャー?
黄金世代の先駆けと言えば勝みなみ。14年の「バンテリンレディス」では、15歳293日という最年少記録で史上4人目のアマチュア優勝を成し遂げた。
また、米女子ツアーで活躍する畑岡奈紗や、2018年のサイバーエージェントで初優勝を飾った新垣比菜、未勝利ながら安定した戦いで2018年の賞金ランクは黄金世代の中で最上位の8位となった小祝さくら、昨年ステップアップツアーで賞金女王となり今年早々に勝利をあげた河本結に同じく今季初優勝の原英莉花など、勢いの良い選手がたくさんいる。
まずは昨年1勝を挙げながらも今年の最高位は7位タイが1度と思うように戦い切れていない大里桃子に「黄金世代と呼ばれることをどう思う?」と聞いてみた。
「そうですね……みんなが活躍している中で、私もその中に入って一緒に注目されているというのは嬉しいなと思っています。(黄金世代と言われることに)プレッシャーはとくにないですね。みんなも頑張っているから自分も頑張ろうと思えます」(大里)
と、大里は黄金世代と注目されることは嬉しいと話す。プロゴルファーたるもの、注目されてなんぼの世界。素直に嬉しいと話すのは当然だ。また、黄金世代の一員であることで、自分も奮起できるとも話した。そんな大里が黄金世代の中で一目置いている選手はいるのだろうか?
「みんなそれぞれいいところがあるので。さくらちゃん(小祝さくら)はショットメーカーで気持ちがずっとフラットで見習いたいですし、結ちゃん(河本結)は攻めていくゴルフで自分には全然ないところだなと思っています。みなみ(勝みなみ)とひな(新垣比菜)は経験値が私よりずっと上だなというのがあるし、他のみんなもそれぞれいいところがあるので、色々な人のいいところを少しずつ盗んでいけたらいいなと思います」(大里)
そんな大里、前半は調子が良いとは言えなかったが、サロンパスカップから6連続で予選通過を果たしており、調子も上向きになっている。他の選手のよさを客観的に分析し、それを自分のモノにしていこうという強かな姿勢は、同期に活躍している選手が多数いる黄金世代ならではだろうか。
「私はゴーイングマイウェイです」
続いて、今季初優勝の渋野日向子にも同じ質問をぶつけてみた。
「(黄金世代と言われていることについて)とくになんにも意識はしていないですね。プレッシャーにもなっていないし、嬉しいとも思っていない。本当に何とも思っていないです」(渋野)
ときっぱり。その理由は?
「98年生まれということで黄金世代の中には入っていますけど、みなみちゃん(勝みなみ)とかひなちゃん(新垣比菜)とか、さくらちゃん(小祝さくら)とかゆいちゃん(河本結)とか、全然私よりもレベルも高いし、立場もまったく違うので、本当に何とも思っていないです。(黄金世代と言われることが)プレッシャーにもなっていないし、変に自信にもなっていないです。私はゴーイングマイウェイです」(渋野)
と話した。人は人、自分は自分を貫いている渋野の芯の強さもゴルフに現れているようだ。
黄金世代の仲間のいいところを見習いたいという大里、まったく我関せずの渋野。この正反対のふたりの戦いぶりにも注目しよう。
取材大会/ニチレイレディス 撮影/矢田部裕