ピンに近いサイドに外さなくなった
ニチレイレディスの練習日、原英莉花選手の練習ラウンドをウォッチしました。身長173センチの恵まれた体格から放たれる弾道は相変わらず見事なもの。
そして、この日はちょっとした変化が見て取れました。パー5で刻むマネジメントを選択するなど、攻め方に変化が見られたのです。プロテスト合格、初シード獲得、初優勝と、わずか約1年の間に次々とステップアップを果たしている原選手のゴルフは、一つ上のレベルに達しているようです。
今週原のバッグを担ぐのは小谷健太キャディ。小谷キャディには、ちょうど一年ほど前に原選手のゴルフについて話を聞いています。
「飛距離が出るのは大きな魅力ですし、ポテンシャルも十分。ですが、寄せるのが難しいピンに近いサイドに外してのボギーが多い。そうならないようなマネジメントが課題です」と、そのとき小谷キャディは語ってくれました。
それから1年。原選手のゴルフを、今季3度目のタッグとなる小谷キャディはどう見ているのか、話を聞いてみました。
「まず、アプローチが上手くなりました。パターもですね。それに、ピンに近いサイドにも外さなくなりましたね。それによってボギーが少なくなり、必然的に上位で戦えるようになっています。マネジメント面ではすごく成長しています」
と、やはりマネジメント面で成長していると証言してくれました。それに伴って、ショートゲームの精度も向上したことが、リゾートトラストレディスでの初優勝につながっているようです。
ただ、マネジメント力が向上したといっても、「失敗を恐れるようになった」とか「刻みのゴルフになった」というわけではないようです。
「たとえばパー5で刻むところは刻みますが、狙えるときは狙う。狙える距離を無理して刻むことはない。狙える距離であれば失敗を恐れずに思い切って狙うようにしています。今の若い子はピンばかり狙っていきますが、それはいいと思うんです。そういう気持ちは忘れずに、自分の好きな距離は狙う、そうでないときはグリーンセンターに。アイアンの精度も上がっているのでそういうことも正確にできるようになっています」
キム・ハヌルのキャディを長く担いだ経験を持つ小谷キャディは、原の若さゆえの“イケイケ”な部分を評価し・大切にしつつ、確実にスコアメークするためのテクニックを伝えているようでした。
昨年55位だったパーセーブ率は29位に。84位だったリカバリー率は57位に向上。まだ荒削りな部分はありながらも、弱点を克服しつつあるように数字上も見えます。
まだまだ底が知れない大器・原英莉花。ますますの活躍を期待しましょう。