マキロイ、マクドウェルら地元勢が有利。「僕にもチャンスがあるよ」
今年最後のメジャー・全英オープンは、北アイルランドのロイヤルポートラッシュで開催される。ロイヤルポートラッシュは北アイルランド有数のメンバーコースで、アーノルド・パーマーやジャック・ニクラスたちからも「素晴らしいコースだ」と高評価を得ている。ダレン・クラーク、グレアム・マクドウェル、ローリー・マキロイら北アイルランド勢は皆、幼少の頃からこの地でゴルフを学び、メンバーにも名を連ねているという。
さて、ロイヤルポートラッシュでの全英オープンは1951年以来、実に68年ぶりの開催だ。だから全員がこの地の全英オープンを知らないし、ほとんどの人がコースを回ったことがない。だから圧倒的にコースを熟知する北アイルランド勢が有利といえよう。
このたび「ロイヤルポートラッシュはホームコースだ」というダレン・クラークにインタビューする機会を得た。いったいどんな特徴を持つコースなのか? どんなところが難しいのかをクラークに聞いてみることにした。

北アイルランド出身で、ロイヤルポートラッシュを熟知しているというダレン・クラーク。自身も2011年に全英オープンを制している(撮影/姉崎正)
みんゴル特派員(以下みんゴル):まずは、ホームコースで全英オープンが開催されることについて、どう思いますか?
クラーク(以下C):非常にすばらしいね。ローリーやマクドウェルらもこのコースのメンバーで、みなここでゴルフを覚えたんだ。昔から何千回とプレーしてきたホームコースで全英オープンが開催されるんだから、とても嬉しいよ。
みんゴル: コースの特徴を教えてください。
クラーク:とてもフェアなコースだが、非常に難しい。いろいろな技術がテストされる。他の全英オープンのコースはもっとフラットな場所も多いと思うが、ポートラッシュは谷になっていて、フェアウェイが底辺。その両サイドは傾斜地になっており、長いラフも生えているんだ。だからこの傾斜地のラフでボールが止まったら、脱出するのは難しい。自然の地形をいかしたコースだが、他の全英オープンのコースよりもタフだと言えるだろうね。
みんゴル:そうなんですね。
クラーク:僕は2011年の全英オープンで優勝したが、この試合は世界で最古のトーナメントであり、J・ニクラスやA・パーマー、G・プレーヤーらレジェンドが優勝してきた試合。その試合で優勝できて非常に光栄だ。若い頃から勝ちたいと思ってきた試合だからね。その大会が自分のホームコースで開催されるのだから、こんなに嬉しいことはないよ。ローリーやマクドウェルは昔からこのコースのことは熟知しているし、優勝するチャンスは大いにあると思う。私も全英オープンチャンピオンとして1番ティに立てるのは光栄なことだし、いいプレーができれば、ボクも優勝のチャンスはあると思っているよ。

ロイヤルポートラッシュを知るローリー・マキロイ(右)、グレアム・マクドウェル(左)に優勝するチャンスがあるとクラーク
みんゴル:誰よりも経験している選手ですもんね。
クラーク:この手のリンクスコースは、パワーがあればいいというものではない。経験やショットの精度が必要だ。ボクのこのコースでのベストスコアは65以下。R&Aによって少し改造されたところもあるけど、モダンなコースになったと思う。
みんゴル:このコースの攻略法はなんですか?
クラーク:フェアウェイキープすることがカギだ。それとラフに入ったら脱出が非常に難しいので、入れないようにすること。フェアウェイを外れると、アンジュレーションがきつく難しい。このコースは1ラウンドして、もう1回回りたければ2ラウンド目を回ってもいいんだ。1ラウンドして、そのスコアに満足できない人がたくさんいるからね。難しいが、素晴らしいコースだ。日本人のアマチュアもたくさんプレーしているよ。コースが難しすぎて、すぐにボールをなくしてしまう人が多いんだ。

ロイヤルポートラッシュはラフがとても難しいとクラーク。いかにフェアウェイをキープできるかが明暗を分けそう
みんゴル:へぇ〜! 相当難しそうですね。風はどうです?
クラーク:海風が吹いていて、風の読みも難しい。それに天候も変わりやすく、雨が降ることもあれば、30度近く暑くなることもあるし、真冬のように寒い日もある。なんでもありの天候だよ。
みんゴル:ずばり優勝は誰だと思いますか?
クラーク:ローリー・マキロイじゃないかな? タイガーもアイアンの精度がよければ優勝できるかもしれない。フェアウェイキープが大事だから、モリナリもいいね。