本当のパーオン率とは? 正しいスコア分析で上達の糸口を見つけよう
「スタッツ」という言葉をご存知でしょうか。たとえば、ドライビングディスタンス、平均パット数、サンドセーブ率などのいわゆる「数値」のことを指す言葉で、もともと「Statistics(統計)」から略されてStatsと短縮され、「スタッツ」と呼ばれるようになったもの。
女子ツアーでは今年も若手が躍動していますが、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の公式サイトでは、これらの数値がツアー全体でだけでなく、選手ごとにわかりやすく表示されているので興味がある方は是非覗いてみることをお勧めします。
さてそんなスタッツですが、実はアマチュアゴルファーにとっても有効なもので、上達のために役立てることができるのです。中でもとくに注目したいのは「パーオン率」です。
パーオン率の計算の仕方は通常はパーオンした回数を18で割るというものです。たとえば18ホール回って4回パーオンしたのなら、4÷18=0.22。つまりそのラウンドのパーオン率は22%ということになります。
パーオンできないとそもそもバーディトライができないし、寄せワンがよほど得意でない限りはボギーにつながる可能性が高いです。そのため、パーオン率を上げることはスコアに直結すると言えます。そうすると、「セカンドショットの精度を上げよう!」と思いがちなものですがちょっと待った! 今回のテーマはまさにそこなのです。
「何故パーオンできなかったか」を考えよう
パーオンできなかった理由をもう少し丁寧に観察しないと、パーオン率を改善するための正しい練習をすることができません。たとえば、パーオンできなかったケースを色々思い浮かべてみましょう。
アイアンの距離が届かなかった、アイアンショットが曲がってしまった、グリーンの形状を理解していなかった、ラフでフライヤーしてしまった、フェアウェイバンカーからのショットだった、ティーショットが林に入ってしまった、ティショットをチョロしてしまったなど様々なケースが挙げられます。
これらは大きく2つに分類することができます。1つは、セカンドショットの質そのものに問題があったケースと、それ以外のミスによってパーオンの可能性が著しく失われているケースです。
たとえばティショットが林に入ってしまったら間違いなく脱出するのに1打を費やしてしまうのでパーオンはできませんし、チョロして万が一フェアウェイに残ったとしてもセカンドが200ヤード残ったりするとこれもやはりグリーンにオンする可能性はとても低くなります。
つまり、こうした「本当の理由」を考慮せずに単に「パーオンした数÷18」してしまうとセカンドショットの質を測ることも、それ以外のミスも見えなくなってしまいます。
パーオン率を通して判断したいのはショットの精度であって、ドライバーのミスなどを計算に入れてしまうとそれがぼやけてしまい改善策もはっきりしなくなってしまいます。実はアイアンショットの精度は申し分ないのに、ドライバーがしっかり飛距離が出ていないために長い距離が残ってパーオンできていない。ということであれば、取り組むべきはドライバーとなるはずです。
パーオン率に限らず、こうした「スタッツ」は上達のカギであると同時に解釈を誤るとむしろ対策を誤ってしまうことにもつながります。近頃はスマホアプリなどで数字を細かに記録することができますが、数字をそのまま読むだけでなくその背景を理解することが重要だといえるでしょう。便利になった時代の贅沢な悩みかもしれませんね。