6月27日開幕の女子ツアー「アース・モンダミンカップ」。4日間大会で優勝賞金が3600万円と高額ということもあり選手たちも気合が入る。そんなアース・モンダミンカップの練習日、昨年と違う風景が広がっていた。体育着に帽子をかぶった小学生たちがプロの練習風景を見学している。また、スタートホールや最終ホールには椅子が用意され、ギャラリーも。
今年は大会スケジュールを変更し、今まで水曜日だったプロアマを火曜日に移動。大会前日にすべての選手が練習ラウンドできるように配慮した。その練習日に合わせて地元の小・中学生を呼んだという。地元の児童を招き社会科見学をしてもらうという試みは少なくとも第3回大会から実施しているそうだ。
地元の児童を呼ぶようになった理由を大会事務局の中尾元哉氏はこう話す。
「今大会のコースであるカメリアヒルズCCは袖ケ浦市と木更津市をまたぐコースなのですが、どちらの市からも大会の後援をしていただいているんです。両市の市長さんとも非常に懇意にさせて頂いていて、子供たちにゴルフをより身近に感じてほしいということで社会科見学もスタートしたという形です。いろいろな取り組みの中で地元の人たちを呼んだり、地産地消などで地元密着のイメージを、大会としてもとても大切にしています」(中尾氏)
また、今年からの新しい試みとして、練習日にギャラリーを入れているのだが、新しい地域密着の試みとして両市に相談したところ快く協力をしてくれたそう。地元の会報誌などで募集し、地元の人たちからの応募で当選者を決め、来るギャラリーも地元の人だ。今回当選は500通。1枚で2名まで入場可能で、700人弱のギャラリーが足を運んだそうだ。
練習日ではあるもののギャラリーレストランも開放され食事も振る舞われた。家族連れの姿も目立ち、子供たちも「初めて見るゴルフ」を楽しんでいた。
このアース・モンダミンカップは、元々チケットは少しだけ割高だが、会場内の飲食はすべてチケット料金に含まれている「食べ飲み放題」(※ただしアルコール類は有料)。18歳以下は入場無料で家族連れにもやさしい大会だ。
アース製品のお試しサービスもあり、この時期嬉しい虫よけスプレーや日焼け止めやフェイスシートも用意されている。また、スタッフに対するケアも充実しており、スタッフや関係者に配られるポロシャツはプリントではなくジャガード(直接柄が織り込まれているもので手間もかかり値段も高価)で、色の展開も豊富だ。スタッフの仕事内容によって支給されるポロシャツの色が違うというのも凝っている。
このギャラリーレストランで特に行列を作っていたのがラーメン。地元木更津市の「美華房(びかぼー)」というラーメン屋で千葉県ラーメン選手権優勝店だ。本格的なスープと麺で、食べたギャラリーもプロたちも大満足だった。
プロの職場でもある大会会場だが、その主催者はそれをいかに地元に還元できるかなども考えて運営している。ツアーを観に行くときは、そんな裏方の仕事にも目を向けてみるといつもと違った楽しみ方ができるかもしれない。
取材大会/アース・モンダミンカップ 撮影/矢田部裕