残念ながら最終日が雨のため中心となった男子ツアー「ダンロップ・スリクソン福島オープン」は、3日目までに20アンダーをマークしていた星野陸也が今シーズン初勝利、通算2勝目を飾った。23歳にして複数回優勝者となった星野のスウィングを、プロゴルファー・中村修が分析!

上半身はリラックス。左サイドの回転で振り切る

ダンロップ・スリクソン福島オープンで2勝目を挙げた星野陸也選手。デビュー時から大器と言われ続けてきましたが、昨年の初優勝、今年2勝目と順調にステップを上がっています。

スタッツを見ても、平均ストローク4位、平均飛距離5位、平均パット数1位、パーオン率26位とショットのみならずパットにも磨きがかかっています。ツアープロは2勝目が難しいなどと言いますが、それを成し遂げた今、日本を代表するプレーヤーへ、そして世界へという道筋が見えてきているのではないでしょうか。

そんな星野選手のスウィングですが、トップでの左腕に注目してみてください。というのも、星野選手はトップで一見左腕がゆるんでいるように見えるのです。

画像: 左腕がピーンと伸びておらず、ゆるんでいるように見える星野陸也のトップ(写真は2019年のダイヤモンドカップ 撮影/姉崎正)

左腕がピーンと伸びておらず、ゆるんでいるように見える星野陸也のトップ(写真は2019年のダイヤモンドカップ 撮影/姉崎正)

「ゆるむ」というと悪いことという印象があるかもしれませんが、実はこれはいいゆるみ。私にはこれは、上半身がリラックスできているからこそ、力みがないからこそのゆるみに見えます。

星野選手の平均飛距離は312.1ヤード。これだけの飛距離は、腕の力だけではなく、下半身を使わなければ出せるものではありません。上半身はしっかりと力が抜けているからこそ、下半身を使い、力感がないのに飛ばせるスウィングになっているのです。

スウィングを見てみると、トップでゆとりを持たせた左腕は、終始ゆとりのある状態をキープしています。そして、スウィングを後ろから見ると、インパクトで左のお尻がよく見えるのがわかります。

画像: (写真は2019年の関西オープン 撮影/姉崎正)

(写真は2019年の関西オープン 撮影/姉崎正)

これは、体の左サイドをよく回転させているからこそ。星野選手の場合、上半身の動きは抑制し、左のお尻をしっかりと回すことで、前傾角度をキープし、腕の通り道を作り、再現性の高い、いいインパクトを作ることができています。アマチュアゴルファーの方には、ぜひ見習ってもらいたい動きです。

アマチュアの方は、「トップでは左腕がピーンと張っているのがいい!」と思い込み、そこに一生懸命になった結果、上半身が力んでしまうというケースがあります。上半身をリラックスさせ、トップでは左腕をゆるめ、そのまま体の回転で打ってみると、スウィングイメージがガラッと変わり、好結果が期待できるかもしれません。

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