「資生堂アネッサレディス」を5位タイでフィニッシュしたイ・ボミ。残りシーズンで復活優勝はあるのか? プロゴルファー・中村修がそのスウィングに注目した。

スウィングとばかり戦って、コースと戦えていなかった

イ・ボミ選手が最後に優勝したのは2017年8月「CATレディス」。資生堂アネッサで5位タイに入りましたが、最後にトップ10に入ったのは同じく17年の最終戦「リコーカップ」までさかのぼります。

今季もここまで5度の予選落ちを喫していますし、2年連続賞金女王となった2015年、2016年の2年間だけで12勝を挙げた、それまでの実績とのギャップを考えると、どれほど苦しい時期を過ごしてきたかはファンでなくても想像できるというもの。資生堂アネッサの5位タイは、イ・ボミ選手の復活への序章となるのでしょうか?

画像: 資生堂アネッサレディスを2017年以来のトップ10フィニッシュとなる5位タイで終えたイ・ボミ(撮影/岡沢裕行)

資生堂アネッサレディスを2017年以来のトップ10フィニッシュとなる5位タイで終えたイ・ボミ(撮影/岡沢裕行)

実はボミ選手、前週開催の「アースモンダミンカップ」では初日になんと82、2日目も74というスコアで予選落ちしています。トレーナーを務める渡邊吾児也さんに話を聞くと、実は大叩きをしてしまったアースモンダミンカップに、浮上への布石があったようです。

「アースモンダミンの初日は風が強かったこともあり、スコアメークの難しさを改めて感じていました。自信をなくし、それを克服するには、試合で結果を出すことしかありません。その中で初日の10オーバーはメンタル的にはきつかったと思いますが、2日目を頑張れた。それが先週の結果につながっています。ショット自体は5月頃から良くなってきていましたが、こちらが見ていても勝負勘を感じられるようになっています」

82を打ってしまった次の日に出した74。大叩きをしても腐らず目の前の1打を打ち続けたことが、次の週の好プレーにつながったようです。

調子自体は良くなっているというスウィングもチェックしておきましょう。写真は、5月末に開催された「リゾートトラストレディス」で撮影したものです。

スウィングに関して、イ・ボミ選手はフィニッシュまで回転し続けるようなタイプではなく、切り返し初期に作った回転力を左サイドで受け止め腕を振る、いわゆるツイストの動きを使うタイプ。インパクト前後の写真を見比べると、腰の回転量が上半身の運動量に比べて少ないことがわかると思います。

画像: 回転力を左サイドで受け止め腕を振る、ツイストの動きを使うタイプのイ・ボミ(写真は2019年のリゾートトラストレディス 撮影/小林司)

回転力を左サイドで受け止め腕を振る、ツイストの動きを使うタイプのイ・ボミ(写真は2019年のリゾートトラストレディス 撮影/小林司)

このようなタイプのゴルファーが調子を崩しているということは、ヘッドがインパクトに戻ってくるタイミングとフェースがスクェアに戻るタイミングにズレがあるということ。このタイミングはグリップの握り方をほんの少し変えただけでも変わるほど繊細なもの。ボミ選手の不調も、ここにエラーが生じた結果のようです。

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