クリスティ・カーはアメリカを代表するプレーヤーでメジャー2勝を含むツアー通算20勝を挙げており、生涯獲得賞金はおよそ1900万ドル(20億円強)。これはアニカ・ソレンスタム、カリー・ウェブに次ぐ歴代3位である。
男子で彼女とほぼ同じ戦績を持つのがダスティン・ジョンソン。メジャー1勝を含むツアー通算20勝で生涯獲得賞金は5位にランクインしている。
しかしジョンソンが稼いだ賞金は6100万ドル、およそ66億円でカーの3倍以上の額を賞金だけ(スポンサー契約は別)で稼いだことになる。
「もちろんPGAツアーとLPGAツアーの商品価値の違いはわかります。女子に男子と同じ額の賞金を払えと主張しているわけではありません。でも彼らの10パーセントあるいは15パーセントの賞金しか女子が稼げないというのは間違い。私たちも努力しているけれど格差は開くばかり。なんとかして追いついていく必要があると思います」というのがカーは主張。
では日本はどうか? 生涯獲得賞金11億8千万円強で7位につける池田勇太と女子ツアーで同じくおよそ11億8千万円で同ランク2位の李知姫の戦績を比較してみよう。
ツアー通算21勝(うちメジャー3勝)の池田に対して李は23勝(うちメジャー2勝)と賞金総額だけでなく戦績も互角。つまり米ツアーとは違い同じ戦績に対して同等の賞金が与えられているということになる。
年間39試合を開催する女子ツアーは賞金総額が39億4500万円。男子は24試合で賞金総額こそ米男子ツアーとの共催のZOZOチャンピオンシップがぐっと額を押し上げ過去最高の42億9475万円となったがZOZOの11億円を除けば約32億円で女子を下回る。
このままいくと日本ではアメリカと逆の意味で大きな男女格差が生まれるかもしれない。たとえば6月末にシン・ジエが優勝したアースモンダミンカップの賞金総額は2億円で申は3600万円を獲得。一方同じ週に行われた男子のダンロップスリクソン福島オープンの賞金総額は5千万円。優勝賞金は1千万円(最終日が中止になったため賞金ランクへの加算は75パーセント)だった。
女子のツアー最高額の大会と男子ではもっとも賞金が低い大会を比較するのは乱暴な話だが、男女の逆転現象はすでに起こっている。その証拠に昨年の賞金女王アン・ソンジュの獲得賞金1億8千万円に対し賞金王・今平周吾は1億4千万円だった。
男女格差がない平等な(?)日本ではいつか誰かが「女子が羨ましい」と声を挙げる日が来るのだろうか?