いつもと同じ馴染みのコースも楽しいが、思い切りトリッキーなコースに行くのも楽しい。ゴルフトレンドウォッチャー・コヤマカズヒロが平坦なチャンピオンコースとは異なる起伏の激しいコースの楽しさを紹介。

「天空のゴルフ場」に行ってきた

ゴルフの楽しみ方は人それぞれだ。今日イチの飛びを求めるのもいいし、スコアを追求するのもいい。いやいや、気の合った仲間とプレーを楽しむのが一番だという人もいるだろう。

企業ユーズが減り、ゴルフ人口も減少の一途だというが、ことゴルフの楽しみ方ということで言えば、より豊かになっているといっていい。値段も安くなっていて、工夫次第ではピーク時よりもずっと楽しくラウンドできる。

画像: 天空のゴルフ場と呼ばれる神奈川県の小田原城カントリークラブ。

天空のゴルフ場と呼ばれる神奈川県の小田原城カントリークラブ。

そんな楽しみ方のひとつとして今回提案したいのは、トリッキーで変化に富んだゴルフ場に行くことだ。日本ではフラットで距離が長いチャンピオンコースなるものがもてはやされた時期もあり、平坦で樹々でセパレートされたコースが多いが、同時に起伏のある地形に造成されたアップダウンがキツめのコースも多い。

世界のゴルフコース100選の常連で、国内では屈指の高い評価を受ける川奈ホテルGC富士コースがそうであるように、地形を活かしたダイナミックなレイアウトは、ゴルフ場の見どころのひとつだ。川奈のような高級コースもいいが、比較的プレーしやすいゴルフ場には「こんなところに作ったのか」と驚かされるトリッキーなコースがある。

そんなゴルフ場のひとつ、神奈川県の小田原城カントリークラブをプレーしてきた。標高650メートルから湘南を見下ろす景観から、“天空のゴルフ場”と呼ばれるコースだ。

その美しい景色は感動的ですらあるが、アップダウンはきつく、両サイドが狭いホールばかりだ。名物ホールの10番377ヤード(パー4)は打ち下ろしがなんと100メートル! どれだけ番手を下げれば距離が合うのか、見当もつかない。

画像: 10番377yパー4は打ち下ろしが100mもある。

10番377yパー4は打ち下ろしが100mもある。

「ええい、ままよ」と当てずっぽうで3番ウッドで打ったら、グリーン手前のラフまで届いた。筆者の3番ウッド飛距離は220ヤードくらいなので、100ヤード以上余分に飛んでいる計算になる。これはなかなか気分がいい。

谷越えの14番168ヤード(パー3)は、山の中にぽつんとグリーンだけ見えるようなレイアウト。漫画『プロゴルファー猿』に出てきそうなホールだが、見た目の通り、グリーン周りは狭く、ティショットが乗らなければトラブルになる可能性が高い。

画像: 谷越えの14番パー3は山の中にポツンと見えるレイアウトで、落とし場所が難しい

谷越えの14番パー3は山の中にポツンと見えるレイアウトで、落とし場所が難しい

打ち下ろしが強烈なホールだと、ピッチマークもクレーターのように大きくなり、グリーンに優しくない感じで心が痛む。しかし、グリーンを硬くしてしまうと、どんなボールもグリーン奥のOBまでいってしまうだろう。

全体的にティショットの両サイドの幅が狭く、それほど悪くないショットでもすぐにOBになりそう。このあたりの運頼みの要素が大きいことが、トリッキーと形容される理由なのだ。OBに一喜一憂せず、ボールをたくさん持っていく対策が必要だろう。そして、狭いところに打っていくスリルを楽しむのが最良だ。

筆者は幸いティショットのOBはなかったが、626ヤードという長くて狭い超打ち下ろしの名物パー5の6番ホールで、セカンドOBを打ってしまった。前下り左下がりで難しい局面だった。傾斜にいかに対応するかが問われるコースだ。

画像: 小田原城カントリークラブの名物ホール。長くて狭い超打ち下ろしの6番626yパー5だ。

小田原城カントリークラブの名物ホール。長くて狭い超打ち下ろしの6番626yパー5だ。

飛ぶ人ならドライバーでワンオン出来るホールも多く、距離が短い分、意外な好スコアが期待できるのも楽しい。筆者はOBとロストボールの不運があったものの、パー4のワンオンもあって、スコアは「78」だった。はじめての来訪としては上出来だ。

狭くて険しい用地に作ったコースには、チャレンジングなプレーの楽しさがあると思うのだがどうだろうか。運任せにドライバーを振り回す蛮勇があってもいいし、狭いからこそ確実性を優先したゴルフを展開するなら、マネージメント力をより高めることが出来るだろう。

幸い筆者の住む神奈川県には、ほかにも伊勢原CC、秦野CC、小田原GC松田コースなど、トリッキーなコースが数多い。他の地方でもここはというトリッキーコースがあれば、教えていただけると幸いだ。

This article is a sponsored article by
''.