2019年7月23日、都内で本間ゴルフの新製品記者発表会が開催された。その目玉は、ドライバーからアイアン、レディースモデルまでのフルラインナップが発表された新モデル「ツアーワールド XP-1」だ。短尺+軽量というちょっと珍しいスペックをしているこのドライバーは、果たして新たなスタンダードとなれるか? 

ちょっと短尺。そして軽量

「ヘッドの飛距離性能だけでは飛ばせない」

そんな言葉から始まった本間ゴルフの新製品発表会。登壇した本間ゴルフの菱沼信之副社長は、「高性能ヘッドを生かすためには、ミート率の向上が不可欠です」と言い、ミート率をアップさせるために、短尺化、軽量化、シャフトの高トルク化といった工夫をしていると説明した。

短いと芯に当てやすいのはゴルファーなら体験的に知っていること。しかし同時に、クラブが短いとヘッドスピードが落ちてしまうのでは? とも思ってしまうというのが正直なところだろう。

画像: 短尺+軽量化を実現した「ツアーワールド XP-1」

短尺+軽量化を実現した「ツアーワールド XP-1」

しかし、ツアーワールド XP-1(以下、XP-1)はシャフトの軽量化によってそれを補い、高トルクのシャフトによりインパクトが安定。芯に当てやすい結果として思い切り振れることから「試打などでは、むしろヘッドスピードがアップする方もいるんです」(菱沼)という。

ここで、XP-1と他メーカーの人気ドライバーのスペックを比較してみたい。

本間ゴルフ XP-1:45.25インチ、285グラム

テーラーメイド M6:45.75インチ、295グラム

ピン G410プラス:45.75インチ、293グラム

キャロウェイ エピックフラッシュスター:45.75インチ、290グラム

ダンロップ ゼクシオテン:45.75インチ、270グラム

(※すべて純正のRシャフトで比較)

ショップでの売れ筋ドライバーは、見ての通り長さは45.75インチが主流。ツアーB JGRは45.5インチ、Mグローレは46インチなど、0.25インチ単位での長い・短いはあるが、「45.75」は現在のスタンダードと言って過言でないことがわかる。

画像: 高性能ヘッドを生かすためにはミート率の向上が不可欠だと本間ゴルフの菱沼信之副社長。そのための短尺化・軽量化、シャフトの高トルク化だと説いた

高性能ヘッドを生かすためにはミート率の向上が不可欠だと本間ゴルフの菱沼信之副社長。そのための短尺化・軽量化、シャフトの高トルク化だと説いた

2008年に施行されたドライバーのいわゆる高反発規制まで、ドライバーの長さは45インチ前後が主流だった。しかし、フェースの反発性能が規制されたことで、それを補うために長尺化・軽量化が進む。そして、振りやすさと飛びのバランス点として45.75インチでひとまず落ち着きを見せているのが現状だ。

約20年続くダンロップのゼクシオシリーズの歴代の長さを見ると面白いのだが、2000年の初代は46インチ。高反発全盛期の2002〜2006年は45インチが3代続き、それが高反発規制後の2010年の6代目には46インチに再度長尺化。その後、45.5インチが3代続いた後で、現行の45.75インチに落ち着いている。

今回のXP-1のスペックは、ゼクシオをベンチマークとすれば(ちなみにXP-1はグローバルモデルであり、ゼクシオ対抗モデルではないようだが)、高反発時代の45インチ・290グラム台というスペックと、昨今の45〜45.75インチ・270グラム台のちょうど中間地点というスペックとなっている。

長ければ飛ぶ。短ければ振りやすい。両者の関係はトレードオフと言われ続けてきたが、独自に開発した高性能の軽量シャフトとヘッド性能で、そのジレンマを克服したというのが本間ゴルフの主張だ。

先の全英オープンでも活躍したリッキー・ファウラーは43インチ台の短尺ドライバーで300ヤードを飛ばす。PGAのツアープロは、かつての80グラム台シャフトを60グラム台シャフトに持ち替えている。短くて軽いクラブで飛ばす時代はすでに(一部で)到来している。

XP-1は、そんな世界のトレンドを背景にした、ドライバーの“新種”なのかもしれない。飛ぶか、飛ばないか。一度試してみてはいかがか。

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