4大メジャーすべてが終わり、いよいよ大詰めを迎えるPGAツアー。今秋開催されるWGCイベントで勝利を挙げ、プレーオフへ弾みをつけるのは誰か。佐藤信人が予想する。

注目は、マキロイ、ラーム、カントレー

PGAツアーはいよいよ今週の2試合と来週の1試合でレギュラーシーズンが終わり、プレーオフへと入っていきます。WGC-フェデックス・セントジュード・インビテーショナルの方はツアーチャンピオンシップ出場や年間王者へ向けての頂点を巡る華やかな戦い。一方でバラクーダ・チャンピオンシップの方は125位のシード権を巡る、来年の仕事場を争う厳しい戦いという対照的な2試合になります。

過酷なシード権争いは来週注目するとして、今週は華やかなWGCの方に注目します。

29年間セントジュードクラシックが行われてきたテネシー州メンフィスにあるTPCサウスウインドで行われます。このコースの特徴は池が多く、グリーンが小さいこと。18ホール中11ホールが池がらみで、グリーンの大きさはペブルビーチGLに近いくらいのサイズです。

ショットリンクが導入された2003年以降、池に入った球の数は5,500個を超え、2位のTPCソーグラスの3,984個をはるかに上回ります。またグリーンの外からカップインする確率もツアー1位です。
セントジュード・クラシックの上位者はストロークゲインド(SG)・ティ・トゥ・グリーンの上位者、つまりその週ショットが良かった選手が毎年のようにずらっと並びます。グリーンは比較的大きな傾斜が少なく、その辺りがチップインなどが多い理由と言えます。

画像: 全英オープンで初日「79」と大きく出遅れながら、2日目に「65」と怒涛の巻き返しを見せたマキロイ。1打足らずに予選落ちを喫した悔しさをアメリカで晴らせるか(写真は2019年の全米オープン 撮影/有原裕晶)

全英オープンで初日「79」と大きく出遅れながら、2日目に「65」と怒涛の巻き返しを見せたマキロイ。1打足らずに予選落ちを喫した悔しさをアメリカで晴らせるか(写真は2019年の全米オープン 撮影/有原裕晶)

今年は全英オープンの翌週ということで、気候も芝も異なり、国をまたいでの連戦になります。多くの選手が過酷なスケジュールで挑むことになりますが、先週北アイルランドの期待を一身に背負って戦ったローリー・マキロイはモチベーションが高い状態で試合に臨めそうです。1打足りず予選落ちに終わりましたが、2日目のプレーに多くのギャラリーが心からの声援を送り、その熱い応援に心を動かされたマキロイはラウンド後のインタビューで涙しました。

先週もらった母国の応援に異国から成績で応えたいと気合が入っているでしょう。SGティ・トゥ・グリーンは現在1位で、セントジュード・クラシックに1度出場し、7位タイに入っています。2度目のフェデックスカップ王者に向けて大事な1戦になります。

ジョン・ラームも引き続き好調です。全英オープンはこれまで相性の良くなかったメジャーでしたが、11位タイという成績で終えました。最終日は順位を下げましたが、4日間映像に映ってきた範囲ではミスショットに怒りをあらわにすることなく、非常に感情がコントロールされてる印象でした。
全英オープン前の3試合はアイリッシュオープンの優勝を含め3連続トップ3という好調ぶりで、ラームはTPCサウスウインドは初めてになりますが、飛んで曲がらないドライバーはきっと武器になると思いますし、例年に比べて柔らかくなっているグラウンドコンディションも味方するのではないかと感じます。

最後にこちらもツアー屈指のボールストライカーであるパトリック・カントレー。SGティ・トゥ・グリーンの4位をはじめ、SGのスタッツは全て25位以内というのは驚異的です。今季の平均スコアも現在1位で、キャントレーのゴルフにはショットからパットまでまったく穴がありません。今年メモリアルトーナメントでツアー2勝目を挙げて強みも増しています。今季中にもう1勝はするのではないかと思っています。

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