飛び系アイアンが流行し、アマチュアゴルファーの多くがアイアンにも飛びと許容性を求めているゴルフ業界だったが、ここ1年でマッスルバックアイアンが大きく見直されている。そもそもマッスルバックアイアンとはどのようなアイアンのことを言い、どんな特徴があるのか。そしてなぜ見直されているのか改めておさらいしよう。

各メーカーがマッスルバックアイアンを見直し始めた

マッスルバックアイアンといえば、ヘッドスピードが速く技術の高いアスリートゴルファーのものという印象が強く、普通のアマチュアにとっては憧れでありながらもちょっと遠い存在。しかもひと昔前と違って、トッププロたちのなかでもマッスルバックを使うプレーヤーは減っていて、存在感は希薄になりつつあった。

しかしこの1年ほどの間に、テーラーメイドがタイガー・ウッズモデルのマッスルバック「P・7TW」を発売したほか、ホンマからジャスティン・ローズモデルの「ローズプロト」、ダンロップから「スリクソン Zフォージド」などの新しいマッスルバックアイアンが相次いで発売され、先日はピンが初のマッスルバック「ブループリント」を発売し話題となった。

このマッスルバックの復権には、何か理由があるのだろうか。

ゴルフクラブに詳しく、自身もマッスルバックアイアンを使っているというゴルフフィールズ ユニオンゴルフ店の店長、小倉勇人氏に話を聞いた。

画像: 大きな話題となったタイガーウッズのアイアンP7TW

大きな話題となったタイガーウッズのアイアンP7TW

「この現象はマッスルバックの復権のように見えると思いますが、従来から数は少ないですがプロにとってマッスルバックのニーズはつねにあり、クラブ自体も細々と存在していたんです。実際タイガーも、デビュー当時から一貫してマッスルバックしか使っていませんし、ミズノやタイトリストなども常にラインナップにはマッスルバックがありましたからね。そんななかで、選手の契約変更などの影響もあり、たまたま各社からの発売が重なったというタイミングだと思います」(小倉氏)

とはいえ、ニューモデルの発売がこれほど集中した背景に、マッスルバックが見直されている事実があることも見逃せないと小倉氏は言う。では、そもそもマッスルバックとはどんなアイアンなのか。形状的にはバックフェースに「えぐれ」がないフラットな形状で、ヘッドが小さくブレードも薄いアイアンで、重心は高め・浅め。

そんなマッスルバックのメリットは、小ぶりなヘッドがもたらすコントロール性の高さと、ラフなどからのヘッドの抜けのよさにある。一方で、ヘッドの小ささはミスヒットへの許容性の低さというデメリットを生むが、「そもそも打点のズレがほとんどないプロにとってはこのデメリットはあまり問題ではない」と小倉氏は言う。

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