サンドウェッジにはバウンスとよばれるふくらみがソール部分につけられている。クラブが地面に潜りすぎないようにするための機能だが、これをうまく使えているゴルファーは実は少ないのだという。どうすればうまく使いこなせるのか。ギアライター・高梨祥明が紐解いた。

バウンスがウェッジの命。上手い人ほどその効果を活かしている

サンドウェッジの最大の特徴は、ソールにバウンス角度が付けられていることである。ヘッドの進行方向に対してソールに“壁”の面を付けることで、ヘッドの地中への潜り過ぎを防ぎ、バンカーショットやアプローチが容易になる。バウンス角度が大きければ大きいほど地面への抵抗が増し、ダフリなどヘッドの入射角度のバラツキに寛容になるのだ。バウンスの役割を理解して、正しく使うことでショートゲームは劇的にやさしくなる。それは間違いない。

タイトリストのマスタークラフトマン、ボブ・ボーケイはこういっている。

「ウェッジのバウンスは地面に対する“抵抗”であり、ヘッドを推進させる“エンジン”でもある。そして、正しいヘッド軌道に導くための“ヨットの帆”のようなものでもある」と。

スコアをまとめるスキルの高いゴルファーほど、しっかりとこのバウンス効果を活かしたアプローチをしているのだそうだ。

アマチュアゴルファーの場合、サンドウェッジのバウンスは少なくとも12度以上、できれば14度以上あったほうがいいといわれているが、いくらバウンス大のウェッジを選んでもザックリ、トップを繰り返してしまうケースは多い。その原因の一つが構え方にある。

ここで紹介した2枚のアドレス写真。どちらがサンドウェッジの構えとしてしっくりくるだろうか? 今回、ゴルフ練習場で同じ質問を10人のアマチュアにしてみたが、結果は「A」が8人、「B」が2人だった。さて、皆さんはどちらを選んだだろうか。

画像: いつもサンドウェッジを使う時【A】と【B】どちらの構えをしてますか?

いつもサンドウェッジを使う時【A】と【B】どちらの構えをしてますか?

おそらく、「A」を選んだ人が多いのではないかと思う。なぜなら、「A」の方がハンドファーストで構えられているように見えるからである。実は筆者も「A」だと思っていたクチである。アイアンやウェッジはハンドファーストにインパクトするのがセオリー、アドレスはインパクトの再現ともいわれる。だから、シャフトは飛球方向に傾いて構えるのが正解だと思っていたのだ。

しかし、このハンドファーストの構えこそがせっかく付けられたバウンス角度を、限りなく“ゼロ”にしてしまう「もったいないアドレス」なのだ。試しに硬い床の上でサンドウェッジを構えてもらいたい。ここでヘッドの刃(リーディングエッジ)が浮かないようにソールをベタッと床につけるようにしてしまうと、自然にグリップエンドが飛球方向に傾き、シャフトに大きく角度がつくようになると思う。これがハンドファーストに見える構えでもあり、バウンスを“ゼロ”にしてしまった状態だ。バウンスが大きいウェッジほどシャフトの傾きが大きくなる。

バウンス角度を活かすならば、この構えとは逆になるのが正解だ。床の上で構えた時はソール後方(トレーリングエッジ)が接地して、ヘッドの刃は少し浮いてるくらいでなければいけない。シャフトの傾きは地面に対して垂直、あるいは少し飛球線後方に傾いているくらいでちょうどいいのだ。

ウェッジには様々なバウンス角度、グラインドをもたせたモデルが用意されているが、どんなに大バウンスのウェッジを選んでも、その機能を帳消しにする構えをしまっては何の意味もない。ゴルフクラブには正しい使い方を解説した説明書は付いていないが、「サンドウェッジはハンドファーストを意識しないで構えて打とう!」 これくらいは説明してあってもいいのではないかと思う。それくらいハンドファーストに構えて、バウンスを消してしまっているアマチュアが多いのである。

やさしくピッチエンドランが打てて「ありえない」ほどスピンもかかるウェッジが新登場!簡単で打ちやすい秘密をコチラで紹介↓

This article is a sponsored article by
''.