シャットフェースのトップといえば、現在(2019年8月3日)世界ランキング2位のダスティン・ジョンソンがその代表選手だが、果たしてこのシャットフェース、我々アマチュアもマネしたほうがいいものなのだろうか。人気レッスンプロ・原田修平に聞いてみた

最新スウィングのトレンドのひとつといえるのが、左手首を掌屈(手のひら側に折る)させて、フェース面が空を向くシャットフェースのトップだ。海外のトップ選手でいうと、ダスティン・ジョンソンやジョン・ラームなどが、その代表選手だろう。慣性モーメントが大きくてフェースがターンしにくい、今どきの大型ヘッドドライバーはフェースをシャットに使うほうがいいと言われるが、本当にそうなのだろうか。

画像: ダスティン・ジョンソンのドライバーショットのトップ。左手首はほぼ90度に掌屈している。(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 撮影:姉崎正 )

ダスティン・ジョンソンのドライバーショットのトップ。左手首はほぼ90度に掌屈している。(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 撮影:姉崎正 )

「ボク自身はあまりシャットフェースは意識していなくて、ほぼスクェアにトップを上げていますね。トップでフェース面が45度ぐらいが、自分にとっていちばん自然で振りやすい角度であって、それは人それぞれで違いがあるというのがボクの考え。レッスンをしていて、ダスティン・ジョンソンみたいなシャットフェースにしたいというアマチュアの方もいますが、必ずしもそれがその人に合っているとは限りませんからね」(原田、以下同)。

ここで大事なポイントになるのが、左手のグリップの握り方とフェース向きの関係性だという。

「たとえば、左手のグリップをウィークに握っている人が、トップでフェースをシャットに上げようとしても難しいですよね。左手のグリップがウィークであれば、トップでフェースはオープン気味、スクェアであればフェースもスクェア、ストロングに握る人はシャットになる。バックスウィングでフェースを開いたり、閉じたりという余計な細工が入らなければ、それが自然なんです。この左手のグリップとフェース面の関係がきちんとリンクしていないと、スウィングが複雑になって、上達するのが難しくなってしまうんです」

実際、プロも全員がシャットフェースを採用しているわけではなく、左手のグリップがスクェアかややストロングのタイガー・ウッズは、トップでフェースはほぼスクェアの45度だし、スクェアかウィークに近い松山英樹はフェースがややオープンになる。その人にとって自然な左手の角度で握ることで、インパクトでフェースをスクェアにヒットしやすいというわけだ。

画像: タイガー・ウッズのアドレスとトップ。左手のグリップはスクェアかややストロングで、トップのフェースはほぼ45度(写真は2019年のファーマーズインシュランスオープン 撮影:姉崎正)

タイガー・ウッズのアドレスとトップ。左手のグリップはスクェアかややストロングで、トップのフェースはほぼ45度(写真は2019年のファーマーズインシュランスオープン 撮影:姉崎正)

「ただ、あまりに左手のグリップがウィークすぎて、トップでフェースが大きく開いてしまうのは、フェースが開く方向に動きやすい、今どきのドライバーには不向きですよね。真上からグリップを見たときに、左手のナックルが最低でも1、2個見えるというのが限界ライン。アマチュアの人は親指と人差し指の力でグリップをホールドしようとして、左手のグリップがウィークになりやすい傾向があるので注意が必要です」

左手のナックルが1、2個見えるグリップをスタート地点にして、少しずつストロングの方向に角度を変えながら、実際にボールを打ってみるといいという。

「試しに、ボクが極端なウィークグリップ、ストロンググリップでボールを打ってみましたが、ウィークではスライス、ストロングでは大きく左への引っかけが出て、まったくボールをコントロールできませんでした。そのときの流行に流されるのではなく、いろいろと試してみて、自分にとってもっともクラブをコントロールしやすい、自然な左手のグリップの角度を見つけましょう。それが上達のいちばんの近道です」

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