「たまにします!」
「マン振りですか? たまにします!(パー5で)2オン狙いたいときとかですね。普段とは多分10ヤードとかは違うと思います」と答えてくれたのは飛ばし屋の松田鈴英。
12人の女子プロに、マン振りを「1 毎回する」「2 たまにする」「3 ほぼしない」「4 全くしない」の4択から選んでもらったところ、さすがに「毎回する」と答えた選手はいなかったものの、4名が「たまにする」と回答してくれた。そのうちの一人が前出の松田だ。ちなみに、マン振りするときは普段以上にクラブを振り抜くことに意識を集中させるのだとか。
アマチュアからすると、「10ヤードも変わるなら」と毎回マン振りしたくなってしまうが……それはさておき松田同様マン振りすると10ヤードは変わると答えたのは河本結。
「たまにします! 今日(センチュリー21レディス練習日)もめっちゃマン振りしていました(笑)。バンカー越えがギリギリとか、(パー5で)ドライバーでガッツ―ンいったらセカンドで2オンできるとか、ボギーを叩いたあととか(笑)、勝負をかけたいときですね。飛距離は10ヤード、キャリーだと5ヤードは変わりますね」(河本)
とかなり明確に距離の違いを教えてくれた。普段とマン振りするときの違いは「いつもより全身を使って、一瞬声を出す」らしい。テニス選手のように、インパクトの瞬間に声を出すことで、飛距離が伸びるそうだ。
普段とマン振りの違いを飛距離ではなくヘッドスピードで答えたのは平均飛距離ランクトップの常連・葭葉ルミ。
「距離とかはわかんないですけど、ヘッドスピードは1上がるくらいですね。振るときはなにかを変える意識はなく、気合で振るっていう感じですね(笑)」(葭葉)
「みんなのゴルフダイジェスト」のYouTubeチャンネルで人気の女子プロ・幡野夏生も松田、河本、葭葉と同じく「たまにする」と答えた一人。なんでも、かつては「毎回する」だったと言うが、「井上透コーチに言われてやめました(笑)」とのこと。
「ドラコンホールで(フェアウェイが)広いときや、パー5で頑張れば2オンするようなところ、400ヤード後半台のホールは結構振りますね」(幡野)と教えてくれた。
ここまでの4選手の話を聞いていると、パー5で2オンのチャンスがある場合に、飛ばし屋はマン振りすることが多い傾向が見られた。パー5での2オンは飛ばし屋だけに許された特権という部分があるため、自分の持ち味を生かせるホールでは積極的に“振る”ようだ。
その一方で、マン振りを「ほぼしない」と即答した飛ばし屋もいた。平均飛距離252.03ヤードの山路晶だ。
「ほぼしないです。(過去には)凄いアゲンストとか、どうしても2オンしたいところとか、勝負したいときに振ったことはありますね。でも飛距離はそんなにゆうて変わらないんですよ(笑)マン振りというより強い球を打つイメージですね」(山路)
いずれにしても、かつての幡野の例はさておいて、1ラウンドを通じて毎回マン振りという選手はいなかった。「1ラウンドすべてマン振りしていたら持たない(笑)」(河本)ということで、分かっちゃいるけどついマン振りしてしまう我らアマチュアゴルファーは、くれぐれも気をつけたいものだ。
今回は取材した12名のうち5名の意見を紹介したが、残りの7名はマン振りを「ほぼしない」「全くしない」と回答している。その理由はなにか。近日公開のマン振りアンケート・後編をお楽しみに。
取材大会/センチュリー21レディス 撮影/矢田部裕