「大東建託・いい部屋ネットレディス」で今季2勝目を挙げた成田美寿々。東京オリンピック出場に向けて着実に一歩前進したスウィングをプロゴルファー・中村修か解説。

高いボールから元の中弾道に戻して3位→優勝

大東建託・いい部屋ネットレディスで逆転勝利を挙げた成田美寿々選手。ここ2試合で3位、優勝と急激に調子を挙げている要因を、まずは井上透コーチに聞きました。

画像: 「大東建託・いい部屋ネットレディス」で今季2勝目を挙げた成田美寿々(写真は2019年のサマンサタバサガールズコレクション・レディストーナメント 撮影/岡沢裕行)

「大東建託・いい部屋ネットレディス」で今季2勝目を挙げた成田美寿々(写真は2019年のサマンサタバサガールズコレクション・レディストーナメント 撮影/岡沢裕行)

「世界で勝つためには高いボールを打てるようにしたいという申し出がありました。練習では高いボールでラインも出せているのですが、もともと中弾道を得意としていることもあり、ラインと縦の距離感の整合性は中弾道のほうが出しやすかったんです。それで、結局元に戻そうということになり、直した途端に先週3位になり、今週は優勝。ショットに関しては100%の状態に戻ってきたので、本来の美寿々が戻ってきたという感じです」(井上コーチ)

成田選手といえば兼ねて東京五輪出場が目標であると公言していますが、それを見据えての高いボールの習得だったようです。しかし、「このままではそもそも五輪に出られない」という現状認識から、得意の弾道でまずは代表の座を射止める作戦に切り替えたようです。

さて、成田選手といえばシーズン中でも月曜日にはジムで汗を流しトレーニングを積んでいます。トレーニングの成果はスウィングにも現れています。

画像: 画像A:トレーニングの成果もあり下半身がゆるまずに、深いトップができている(写真は2019年サロンパスカップ 撮影/三木崇徳)

画像A:トレーニングの成果もあり下半身がゆるまずに、深いトップができている(写真は2019年サロンパスカップ 撮影/三木崇徳)

まずは画像A。トップでは下半身にはゆるみがなく、それでいて上半身は力みがなくリラックスした状態。両者が組み合わさることで、十分に深いトップが作られています。

画像: 画像B:前傾した状態で肩が縦にまわすことでアッパー軌道で打てている(写真は2019年サロンパスカップ 撮影/三木崇徳)

画像B:前傾した状態で肩が縦にまわすことでアッパー軌道で打てている(写真は2019年サロンパスカップ 撮影/三木崇徳)

そして、切り返し以降(画像B)では特徴的なルックアップ気味のダウンスウィングから、インパクトでは左脚を伸ばすように使うことで回転力を上げています。強振してもブレない左脚はしっかりと鍛え上げた筋力があればこそ。

そして、もう一つ肩のラインに注目してみます。インパクトで右肩が下がっているように見えますが、前傾した状態で肩を回すと、肩は正面から見て縦に回転します。そうすることでインサイドからクラブを下ろし、アイアンではダウンブローに、ボールを左に置いたドライバーではややアッパー軌道でボールをとらえることができるんです。

時を同じくして、海の向こうでは渋野日向子選手が全英女子オープンを制しました。米女子ツアーで活躍する畑岡奈紗選手も含めて、今後代表の座をめぐる争いはさらに激しさを増してくるのは間違いありませんが、日本ツアーのレベルを上げた黄金世代に立ちはだかる中堅の筆頭として、成田選手の活躍に期待せずにはいられません。

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