AIG全英女子オープンで日本人42年ぶりとなるメジャー制覇を成し遂げた渋野日向子が、8月6日、帰国記者会見を実施した。その会見前半の模様を、ほぼノーカットで全文書き起こし!

優勝を確信したのは?「最後のバーディパットが入ってからです」

渋野:この度はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。AIG全英女子オープンで42年ぶりの日本人優勝をすることができました。正直すごく緊張してて、なにしゃべっていいかわからないですけど、嬉しく思います。ありがとうございます。

画像: 羽田空港で帰国会見を開いた渋野日向子

羽田空港で帰国会見を開いた渋野日向子

ーーまずはおかえりなさい。

渋野:帰りました!

ーー全英優勝おめでとうございます。(空港で)暖かい出迎えでしたね。

渋野:想像以上だったので、すっごいびっくりしました。

ーー今の気持ちは?

渋野:イギリスに着いた時から日本に帰りたいと思っていたので、やっと帰れたので嬉しいです。

ーーそれは、緊張から?

渋野:緊張とかではなくて、普通に日本がいいなあと思っていたので。でもすごく暑かったです。

ーー飛行機の中では何を?

渋野:寝てご飯食べて寝て、フルーツ食べて。JALさんからケーキを頂きまして、ケーキも食べました。すごく美味しかったです。

ーー友人や家族から連絡はどれくらい?

渋野:どれくらいきたんでしょう。多分1000件弱くらいですかね。かなりきました。返しきれてないです。

ーーすごいことをしたという実感は?

渋野:まだ、すごいことをしたっていう実感はそんなないんですけど、だんだんと湧いてくるのかなあと思います。

ーー試合を振り返っていただくと。

渋野:とくに緊張もしなかったんですけど、出だし3番からダボを打ってしまって。攻めた結果だったので、怒ることはなかったんですけど、だんだん悲しくなってきて。最後のほうはちょっと緊張しましたけど、お菓子食べて緊張を和らげていました。

ーーどうやって切り替えた?

渋野:やっぱりどうしてもスコアを落としてしまうと、怒ってしまうので、4パットを打ったときはオーバーして、返しも難しくて、攻めた結果だったので、怒ることもなかったですけど。切り替えの仕方って言われると……食べ物を食べる感じですかね。今回はギャラリーさんの声でも切り替えることができました。

ーーどこで優勝を意識?

渋野:3日目が終わって単独首位だったので。そこからちょっと意識はしていました。

ーー確信したのは。

渋野:最後バーディパットが入ってからですね。

ーー最後のバーディパットは強気でしたね。

渋野:後で映像を見させてもらったんですけど、かなり強かったですね(笑)。

ーー涙はなかったですね。

渋野:驚きすぎて涙も出てこないくらい。泣くかなと思って、こうやって(拭おうとした)したんですけど、出てこなかったですね。なんでだろう。

スマイルシンデレラは「良く言い過ぎ(笑)」

ーースマイルシンデレラと名付けられましたが

渋野:シンデレラは良く言いすぎかなと思いますけど(笑)。回ってる途中も外国のギャラリーさんからも声援をいただいたので。知ってもらえたのがすごい嬉しかったですし、名付けていただけて嬉しかったですね。

ーーファンの皆さんとハイタッチするなど、試合中でも笑顔。そう振る舞う理由は?

渋野:プロゴルファーはギャラリーがいて、見せる競技。楽しんでもらうためには自分が心の底から楽しんでやらないと、周りも楽しくない。そこは心がけています。

ーーメンタルの強さの秘訣は?

渋野:昔は喜怒哀楽激しいほうでした。ここ一年は自分でもわけのわからないくらい結果を出していて、こんなところでそれ入るのっていうのも多かった。なんでですかねえ、本当にわからないです。

ーー技術的に伸びた点は?

渋野:パッティングは数値的にも上がっているので、そこは技術的にもだいぶ成長していると思います。ボギーを打ったあとバーディをとる確率も上がっている。気持ち的にも技術的にも上がっているとは数値を見たら思います。

ーー小学生からやっているソフトボールが生きている点は?

渋野:ソフトボールではピッチャーをしていたんですけど、ピッチャーは一番大事な役で。自分が崩れてしまうと負けてしまうので、フォアボールを出したり打たれても気持ちを切り替えて、「次!」ってやっていかなくてはいけない。それはゴルフにも生きてると思います。

ーー他競技をやるのは好影響?

渋野:ソフトボールは団体競技なので、力を合わせてっていうのは私は大好きです。

画像: 終始トレードマークの笑顔で記者たちからの質問に答えた

終始トレードマークの笑顔で記者たちからの質問に答えた

ーーゴルフ一本に絞った経緯は?

渋野:中学生で、男子の野球部に入ってやっていた。それでもゴルフは続けていた。岡山県ジュニアゴルフ大会で優勝して、ステップアップツアーの山陽新聞レディスカップに出させてもらって、プロの方と回らせていただいて、プロゴルファーっていいなあと思って。野球部も朝練しか行けず、午後はゴルフの練習をしていたので、中学2年の時に監督にゴルフ1本に絞ったら? と言われて、ゴルフ1本に絞りました。

ーーゴルフ1本に絞ったとき、どんなプランを描いていた?

渋野:正直まったく考えてなくて。この歳でレギュラーツアーに出られるとも思っていなかったんです。想像以上の結果が出ていて。海外メジャーも一生に一度出られたらいいなあと思っていたくらいで、考えてなかった。そんな感じです。

ーー海外で学んだことは?

渋野:世界でも笑顔は共通なんだなあとすごい思った。笑顔でやっていたり、努力をすれば結果に出るんだなあと、今回ちょっと思いました。

日本いい点は「ご飯がおいしい」

ーー今後の目標は?

渋野:今年の目標は日本のツアーで1億円プレーヤーになることなので。(来年の)オリンピックくらいまでしか考えられてないですけど、賞金女王にもなりたいですし……ジュニアの子の見本になれるように、頑張ります。

ーー五輪への思いはあった?

渋野:海外メジャーはオリンピックに出るためには大事になると思っていたので、(今回の優勝で世界ランク14位に上がり)オリンピック出場にはつながると思うので、良かったです。

ーー五輪に出たい思いは湧いた?

渋野:湧きました。

ーー(今回の優勝で出場資格を得た)アメリカツアーには参戦されないとおっしゃっていましたが?

渋野:今回イギリスで全英女子オープンに出て、外国人のギャラリーさんもすごい盛り上げてくださって。嬉しかったんですけど、でもやっぱり1週間くらいいて、日本がいいなあと思いました。

画像: キャディを務めた青木コーチも笑顔

キャディを務めた青木コーチも笑顔

ーー日本がいい点は?

渋野:ご飯がおいしい(笑)。日本にはたくさんの私を応援してくれる方々がいる。みなさんの前で活躍するのが、これからも頑張りたいこと。日本でも未熟ですし、盛り上げられるように頑張りたいです。

ーー今、何食べたい?

渋野:焼肉が食べたいです(笑)。

ーー黄金世代はどういう存在ですか?

渋野:学生時代とかは私は全国(レベル)で活躍できなかったですけど、黄金世代の上のほうのみんなが(成績で)上のほうにいて、そのみんなを目指す立場で。今は、黄金世代の名前が出るときに私の名前も出していただいて、代表になれてるのかなと思うと、嬉しいです。同い年が活躍しているのは刺激になりますし、リーダーボードの上の方に(黄金世代の選手が)いると、頑張らないとと思います。

ーー今週から参戦する国内ツアーへの意気込みは?

渋野:(北海道)meijiカップはチョコレートが楽しみなんですけど(笑)。優勝した次の試合は大事だと思うので。でも気負わず、いつも通りのプレーで頑張りたいと思います。

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