312名がアマチュア世界一の座を争った
7191人のアマチュアゴルファーがエントリーし、予選免除者と予選通過者の総勢312名が戦った全米アマ。 36ホールのストロークプレーでマッチプレー進出者64名が決まり、そこからトーナメント方式のマッチプレー。6連勝した選手が優勝という試合形式です。
過去にはタイガー・ウッズが94年から3連覇、フィル・ミケルソンやジャック・ニクラス、アーノルド・パーマーらの名前が刻まれている優勝トロフィーを巡り、熱い戦いが7日間繰り広げられました。
今回参戦した日本人選手は過去最高の5人。 昨年アジアパシフィックアマチュアを制した世界アマランク3位の金谷拓実(東北福祉大)を筆頭に、在米大学生組4人が予選会から勝ち上がり本戦出場を決めていました。
アジアや豪州、欧州のアマチュア競技の経験豊富な金谷にとって、アメリカでの個人アマチュア競技は初体験。初日は有名な2番コース(7555ヤード、パー70)で4オーバーと苦しみ出遅れましたが、昨年リニューアルされた4番コース(7129ヤード、パー70)でのセカンドラウンドを見事アンダーパーに収めマッチプレーに進出することができました。
「ヒデキは越えたがコニケンには届かなかった」
マッチプレー1回戦は先月欧州アマを制したマティアス・シュミッド(ドイツ)。190センチを越える長身から放たれる鋭い弾道のシュミッドとのマッチは、 1ダウンで迎えた18番ホールで起死回生の劇的なバーディパットを沈めてエキストラホールにもつれ込み、19番ホールでシュミットを下しました。
2回戦の相手は今月末からフロリダ大学1年生となるリッキー・カスティリオ(18歳、世界アマ
ランク9位)。 前日はアイアンショットとアプローチが冴えボギーなしのゴルフを展開していた金谷でしたが、少し体調を崩していたということもあり、咳き込むシーンが見られました。
ゴルフの調子は陰りを見せ、距離感や方向性の安定度は低かったです。 10番を終えて3ダウンと劣勢状況の流れを変えることはできずマッチは16番での金谷の3パットボギーで決着。 「3アンド2(※2ホールを残して3ダウン)」で全米アマ初挑戦は幕を閉じました。
プレー後のコメントでパインハーストの印象を聞くと「距離が長く、ロングアイアンでオーガスタよりも狭いエリアにちゃんと高い球で止めていかないといけない、精度を求められるコース」と説明していました。 パインハーストは2024年の全米オープン会場。 そのことに対しては「5年間の時間を大事にして、優勝できるような選手になる為に大切に一日、一日やっていきたいなって思います」
と5年後で同会場でのリマッチを楽しみにしている様子でした。
大会に帯同していた東北福祉大学ゴルフ部の阿部靖彦監督は「ヒデキは越えたがコニケンには届かなかったなぁ」と会場を去るときにコメントされていました。(松山英樹は2012年大会に参戦しマッチプレー進出に2打足りず予選落ち、コニケンこと小西健太は2015年大会で準決勝まで勝ち残る健闘を見せていました)。
世界ランク上位者がマッチプレーに進出できなかったり、マッチプレーで早々と敗退するなど大番狂わせもあった中で決勝戦はNCAA全米大学ゴルフ強豪校の4年生という顔合わせ。 アンディー・オーグルツリー(ジョージア工科大)が36ホールの決勝戦でジョン・オーゲンスティーン(バンダービルト大)を下し初の栄冠に輝きました。
決勝戦に進出したファイナリスト2人には来年の4月のマスターズの招待枠、6月の全米オープンの出場権が与えられます。 優勝したオーグルツリーは来年4月マスターズで前年度優勝者、タイガー・ウッズとの初日・2日目の同組プレーが濃厚。 本人は「タイガーはジュニア時代の憧れで過去の優勝シーンは全部ユーチューブで見ているからとても楽しみです」と優勝後の記者会見で嬉しそうに話をしていました。
【参加した日本人選手と結果】
金谷拓実(東北福祉大)ストロークプレー28位、マッチプレー2回戦敗退
欧陽子龍(おうよう・しりゅう、州立サンディエゴ大)ストロークプレー2位、マッチプレー2回戦敗退
伊藤ブレント章(あきら、ミシガン大)ストロークプレー44位、マッチプレー1回戦敗退
大西魁斗(南カリフォルニア大)ストロークプレー予選落ち
吉原英駿(UCLA カリフォルニア大ロサンゼルス校)ストロークプレー予選落ち