今シーズン女子ツアーを盛り上げている98年生まれの黄金世代。そのスウィングを短期集中でプロゴルファー・中村修が毎日一人ずつ分析していく。初日は、今年リゾートトラストレディスで初優勝を挙げた原英莉花だ。

173センチの長身を生かした伸びやかなスウィングが魅力

画像: 今季初優勝を挙げ、直近2試合でもトップ10入りと好調の原英莉花(写真は2019年のNEC軽井沢72ゴルフトーナメント 撮影/大澤進二)

今季初優勝を挙げ、直近2試合でもトップ10入りと好調の原英莉花(写真は2019年のNEC軽井沢72ゴルフトーナメント 撮影/大澤進二)

まずは画像Aのアドレスからバックスウィングを見てみましょう。なんといっても173センチの手足の長さが目立ちます。手足が長いとその分、バラバラな動きをするリスクもありますが鍛えられた筋力を持っていることで、非常にバランスよく振れています。

両わきが締まり両腕を内側に絞るようにすることで、ひじの曲がる面が正面を向いています。画像A右の写真を見ると、アドレスで作った三角形を崩さずに手元を遠くに上げるようにテークバックしていて、そのことで腕だけで上がることを防いでいます。グリップは、非常にオーソドックスなスクェアグリップです。

画像: 画像A:オーソドックスなスクェアグリップ。腕と手でできた三角形を崩さずに、手元を遠くに上げるようにテークバックしている(写真は2019年のリゾートトラストレディス 撮影/小林司)

画像A:オーソドックスなスクェアグリップ。腕と手でできた三角形を崩さずに、手元を遠くに上げるようにテークバックしている(写真は2019年のリゾートトラストレディス 撮影/小林司)

画像B左のトップの位置を見ると腕の位置はコンパクトですが、上半身はしっかりと深くねじられているのがわかります。この位置に腕が上がる頃には既に下半身はダウンスウィングへの切り返しが始まっていて、右脚で地面を踏みしめていることが見てとれます。

そして、画像B右の画像では左へ踏み込むことで、飛距離の源になっている、上半身と下半身が分離された大きな捻転差=Xファクターが見てとれます。

画像: 画像B:下半身が正面に戻ったとき、上半身はまだ体の右側を向いている上下の捻転差「Xファクター」が飛ばしの秘密だ(写真は2019年のリゾートトラストレディス 撮影/小林司)

画像B:下半身が正面に戻ったとき、上半身はまだ体の右側を向いている上下の捻転差「Xファクター」が飛ばしの秘密だ(写真は2019年のリゾートトラストレディス 撮影/小林司)

画像Cのインパクト前後の写真を見ると、腰はほとんど動いていませんが、クラブは大きく動いています。これは下半身リードで作った回転力を体幹に伝え、体幹から前腕へ伝えることで体幹部を減速させ、反対にクラブヘッドを効率よく加速させているから。頭の位置が動かないことでミート率も高く、インパクトの再現性も非常に高いスウィングと言えます。

画像: 画像C:頭の位置も動かないことでミート率も高くインパクトの再現性も非常に高い(写真は2019年のリゾートトラストレディス 撮影/小林司)

画像C:頭の位置も動かないことでミート率も高くインパクトの再現性も非常に高い(写真は2019年のリゾートトラストレディス 撮影/小林司)

勝てる試合をしっかりと勝ち切る、自分の勝ちパターンのようなプレースタイルが見えてきているはずの原選手。スウィングや実力だけでなくプレー中の表情も豊かで、プレーぶりでも観客を魅了できる稀有なプレーヤーとして、これからもっともっと成長してゆくことでしょう。

This article is a sponsored article by
''.