米ツアーに続き、欧州ツアーも‟遅延行為”のペナルティを明確化
米ツアーのフェデックスカップ、プレーオフシリーズ初戦「ザ・ノーザントラスト」で、2.5メートルのパットに約2分、70ヤードのアプローチに約3分かけたブライソン・デシャンボーのプレーが物議を醸した。
「これほど酷いプレーは見ていられない。今後ゴルフ中継は見ないことにする!」と酷評するファンが続出。これに危機感を募らせた米ツアーはスロープレーにペナルティを科す方法を明確化。だが根本的な問題解決には至っていない。
そこで欧州ツアーはさらに厳しい対処法を打ち出した。1ラウンドで2回、タイムオーバーした者には即1ペナを科し、スロープレーの常習者には相応の罰金を課す。さらに現状156人のフルフィールドを144人に縮小する案も。
ペナルティも罰金も選手にとっては痛手だがなによりフィールド縮小は死活問題。プロにとって出場機会が減らされるのが一番怖い。「2020シーズンに実施する我々の計画は選手とファン、そしてゴルフ界にとって有意義な変化をもたらすでしょう」というのは同ツアーのチーフエグゼクティブ、キース・ペレー氏。
今後ヨーロピアンツアーのメンバーになるには実技試験に加えルールテストにも合格する必要がある。メンバーになったあとはレフリーからプレーのペースについて講義を受けることも義務付けられる。
来月にウェントワースで行われるビッグイベント、BMW PGA選手権では競技委員が前の組との間が開いた組のプレーヤーの所要時間を計測。原則1打40秒、最初に打つ選手のみ50秒以内でのプレーが要求され違反者には即刻1打罰を課すという。
今季同ツアーでスロープレーを15回犯した選手の罰金は9千ユーロ(約106万円)だったが来年新ルールが採用されると同様のケースで罰金は2万6千円(300万円強)、およそ3倍に増額される。
米ツアーはペナルティストロークや罰金の方針が打ち出しているものの実際に罰則を科された選手はおらず「さっさと実行して欲しい」「これじゃ、ヤルヤル詐欺」とプレーの早いブルックス・ケプカやローリー・マキロイが訴えている。
デシャンボーもついに降参?
デシャンボーはスロープレーを指摘された当初「自分は悪くない。キャディや同伴プレーヤーの歩く速度が遅いせいだ」と開き直ったが、実際スロープレーをするプレーヤーの共通点は“自覚がない”こと。
最近は改心(?)し「問題を指摘される側じゃなく、ツアーのお手本になれるよう頑張りたい」と脱スロープレー宣言しているデシャンボー。果たしてどうなるのか?
出場枠を縮小してまでペースアップを目ざす欧州ツアーの試みが問題解決の切り札となれば良いのだが。