「RMX120」でキャリーが10ヤード伸びた
まずはドライバー。関が「これまでの日本ブランドのドライバーの既成概念を良い意味で変えてくれそうな1本」と高評価したのは、2年ぶりのモデルチェンジとなるヤマハの「RMX 120」だ。
ヤマハのドライバーと言えば、これまで頻繁にフォーカスされてきたのは、そのフォルムの美しさ。「そんなデザイン性に加えて、外国ブランドの良さをしっかりと取り入れた印象です。『いいものはいい』と飛ばしの機能を詰め込んできたな、という感じです」
実際に関が試打したところ、平均飛距離260ヤードの関プロが「270ヤードぐらいキャリーで打っちゃって。たまたまそのとき、いつも一緒にラウンドしている人間もいて、めちゃくちゃ驚かれましたよ!」。ドライバーの最も重要な部分とも言える‟飛ばし”の魅力を感じることができたという。
それだけではない。関プロがこれまでの「RMX」シリーズからより進化した部分として挙げたのが「とにかくミスヒットに強い」点だ。
これは「RMX120」に新たに搭載された新機能「ブーストリング」によるものものが大きいと関プロ。フェース裏面を覆うように内蔵されているリング状の新素材は「初速がアップするだけでなく出球の安定にもつながっているのではないかと思います。なので、『ドライバーは曲がってしまうので、苦手』という人にとくにお勧め」(関)
海外メーカーに押され気味の国内ブランドのドライバーだが、起死回生なるか。
アイアンはタイトリストの「Tシリーズ」に◎
続いてはアイアン。関のイチ押しがタイトリストの新アイアン「Tシリーズ」だ。ツアー系アイアンの「100」に、寛容性も兼ね備えた「200」、より楽に高さを出せる「300」の3タイプで、とくにお勧めなのが「T200」。
「大げさに言えばアイアン作りのトレンドと言うか、主流の流れをまた新たに変えてしまうのでは?と思うほど、素晴らしいと思います」と絶賛する。
曰く「これまでの『やさしく、飛ばす』が合言葉だったアイアン作りに『確実に』が備わった感じです」と語るが、どういうことか……。指摘したのが、内蔵したタングステンの位置。
「これまでは『飛ばす』ことを念頭にタングステンをただ埋め込めばいいという発想から『どこに埋め込むべきか』を追求したと思います。タングステンの位置がフェース面のややトウ(先)寄りにある。ショットを放つ際、実際にボールがフェース面と接する部分は、ほとんどのゴルファーはややトウより。アイアンのフェース面って、当たる側としてはどれもトウ側が広いですよね? タングステンがその面積の大きな部分の近くにあることで、ミスヒットに強く、これまでよりも、より広範囲で正確なショットを放つことが可能になると思います。要はドライバーの(大)慣性モーメントのようなもの。アイアンなのに箱(ウッド)型のテクノロジーが盛り込まれた、本当によく考えて作りこまれたアイアンです」
「やさしく“確実に”飛ばす」が次世代のアイアンのスタンダードとなるかもしれない。
テーラーの新作ウェッジはフェース面がノーメッキ仕上げ
ウェッジはテーラーメードの新作「ミルドグラインド2」が高評価。これも実際に試打した際に、その打感、そしてスピン性能に好印象を持ったようだ。
「やはりフェース面のみノーメッキということで、より自分のイメージを実際のクラブに伝えることができるクラブですね」
実際の球には、どんな違いが出るのか?
「ウェッジを打つとき、しっかりスピンを入れたいというのは誰もが考えることですが、このウェッジは、『あ! 少しゆるんだかも』というときでも、しっかりとボールが上がってくれるし、止まる。とくに2バウンド目以降のスピンの効き具合に違いが出ますね」
さらにノーメッキならではの材質が、より「自分だけの1本になってくれるのも魅力」と関は言う。
「ノーメッキは使い込んでいくうちに、錆びる。でも、このミルドグラインド2はフェース面の溝の間にさらに特殊な凹凸状の溝が施されていて、表面が錆びることでさらにスピンの効きがよくなるそうです。もちろん、クラブに錆が入ることで見た目を気にされる方もいるかもしれませんけど、使えば使うほど、自分だけのクラブになるという面に僕はすごく惹かれましたね」
来る9月以降、各メーカーが相次いで新作クラブを販売予定。もちろん、他メーカーからも個性的なクラブが多数発売され、そのどれもが魅力的だ。ドライバーから小技を引き出すクラブまで「次は何を入れようか?」と、ギアへの興味が尽きない2019年の秋となりそうだ。